いしたに まさき:ぱちぱちぱち。今月もやってまいりました、PFUのお時間です。先月はHHKB祭りでしたね

堀 正岳:前回は日本語版だけだったREALFORCE R2 「PFU Limited Edition」ですが、はやくも英語版キー配列も登場してますよ!

い:時間の流れがはやいな。なお、前回の記事をアップした際に、HHKBイベントのオーガナイザーの小山さんに、そろそろこの3人にはトリオ名が必要なんじゃないかとつっこまれていました。トリオ・ロス・パンチョスみたいなもんですかね、ベサメ・ムーチョ!!!

堀:あるいはTMなのかYMOなのか、サンバルカンなのか…

野間 恒毅:Perfumeか

い:じゃあ、おれのっち

野:かしゆか

堀:(これはうかつに発言できない!)

い:まあ、無限未来ってことでいいのではないのでしょうか。そのうち、PFUがPerfumeをスポンサードしますよ。そのとき、われわれがPFUのPerfumeですってあいさつにいけます。それまでがんばりましょう

堀:よーし

 

い:ということで、きょうは未来じゃなくて、過去の話です

野:無限過去の話ですね

い:そうなりますね。で、もう終わってしまったんですが、6月といえば、ジューンブライドってやつですね。結婚式といえば、過去写真とか黒歴史とかひっぱりだされますね、私はやりませんでしたけど

堀:親サービスで数枚だけ放出したような気がします(笑)もう70年代だからすごい色の写真ですが

い:まあ、親サービスわかります(笑)

野:ひとんちの結婚式二次会ではやりましたねー。PowerPointにプロジェクタ使って。当時は珍しい100インチプロジェクタ、会社の備品を勝手に持ち出してやってた

い:備品って(笑)

野:へたすりゃ開発品? ほらソニーだったので(笑)

い:パワポなにげに写真取り込み機能充実してますしね

野:今では当たり前のプロジェクタで昔の写真投影、20年前からやってました。

い:すばらしい。最近だとスクショさらしたりとかもするんだろうなあ

野:プロポーズがLINE時代か、まあ告白するのもLINEですもんね

い:プリクラとかもあるんだろうな

堀:デバイスやアプリもずいぶんかわったのに、写真がもっている思い出を復活させる力だけがまったく変わっていないのがすごいですよね

い:スマホのおかげでライトに写真撮るようになったので、さらに加速してますよ

野:プリクラといえば、あのプリンタはソニーの昇華型。紙がえれえ儲かったって

い:ああ、昇華型だから、プリクラはきれいで速かったのか、なるほどなあ

 

堀:そういえば先日、日本でのデジカメの草分け的存在だったカシオが撤退してしまいましたが、QV-10 以後の写真はちゃんともってるのに、それ以前が見つけにくいって問題もありますよね

い:デジタル化されていない問題

野:紙焼き問題。うちなんてFUJICOLORの袋にはいったままダンボールに眠ってます

い:ネガとかポジとかもそのまんまだものなあ。で、聡明な読者であれば、お気づきだと思いますが、ここから話はOmoidoriの話になります

堀:写真のスキャナー!

い:アルバムに入れたままで写真をスキャンできるという優れものです。2016年にグッドデザイン賞も受賞してますね

野:アルバムに入れたまま!

い:だってきれいに整理してあるのはがせないですよね。まあ、われわれはそれ以前の問題なわけですが(笑)

野:積み重なっている問題(笑)。でも、むしろ昔の「フエルアルバム」とかに親がいれてた自分の昔の写真が課題ですな

い:ナカバヤシ!

堀:Omoidoriは、写真を撮影するのは iPhone でいいじゃないかと割り切っているところが PFU らしくて、肝心のスキャナーとしての機能をスマートフォンにぶん投げてるのに、アルバムにはってある写真をきれいに枠に合わせて撮影できますよという部分だけで製品にしてしまったのがすごいですよね

い:その方がわかりやすいですからね

堀:iPhone でアルバムを取るんだから多少歪むのかと思ったら、まったくゆがまない。はがして ScanSnap したのと同様という(笑)

野:なんでなんですか?

い:ポイントとしては2つですね。撮影時に左右からLEDで光を当てているので、いわゆるテカリがほぼゼロになります。だから、アルバムからはがさなくてもいいんですよ

野:テカりゼロ!

堀:片方からフラッシュをあてると、当てた側がテカるので、わざわざ2つの光源で2回撮影して合成するみたいなことまでしてるという

い:あえてテカらせてから合成。これはお見事です

野:テカっているのかい!

い:そうといえばそうです(笑)

野:すごいな、テカらせているのにテカってない。哲学だ

 

堀:僕は Omoidoriについては、あのパカっと開く機構もとても気に入っていて、

い:あれ、やる気スイッチですよね(笑)

堀:ちゃんと光が横から入らない暗室が小気味よいカチッという音で完成するのが気持ちいいですね

い:で、肝心なポイントはまずハードで元画像の質を上げておいて、そこからソフトウエア合成などをしているところでなんですよ。ゆがまないのも、合成の際に補正かけているからです

野:なるほど、パノラマ写真的なわけですね、つなぎ合わせてる

い:そうそう。なので、Omoidoriって、本体のサイズ的にはL版サイズなんですけど、2L版でもスキャンできるというわけです

野:2L版はどうやって撮影するんですか?、ていうか、久々にきいたぞ2L版

い:合成です

堀:2回置いて、半分ずつ撮影するんです(笑)

野:パノラマだったw

い:そう(笑)

堀:やっていることはデジタルなのですが、作業としてはアルバムの上に置いてアプリのボタンをポチッと押すというアナログなものなので、これ子供でもIT慣れしていない年齢のひとでも大丈夫なんです

 

い:Omoidori発売時に堀江さんがいいブログ書いてまして、ここ大事ですね

今回こうやって古いアルバムを引っ張りだしておもうのは「紙焼き写真は災害がなければ最強」ってことです。データの様に何かのきっかけで消してしまったりすることもなく残り続けます。これからさきデジタルデータという無形のものはどれだけ残っていくんだろうかとおもうと、すごく不安になります。

い:結局、デジタルかアナログかっていう答えは出てないんですよ。どっちかではダメで、デジタルもアナログもあることで、やっとロバストになる。どっちにも一長一短あるというのが現状認識でいいと思います

野:フィジカルとクラウドですね。オリビア・ニュートンジョンだって、VHSビデオで保存していたら見られないけど、キャプチャしてYoutubeにアップしたらいつでも見られるわけです。写真にもそういうのはいるでしょう?

い:そうきたか(笑)

野:で、写真のクラウドでも、なんたらphotoとかあるんですよね

い:ええ。アナログの利点を言いつつも、われわれデジタルおじさんとしては、デジタルの良さを出したいわけで、デジタルの良さの部分で言うと、ほら流行りのAIとかですよ

堀:たしかに、デジタル化さえしておけば、勝手に人物を探してくれたり、場面を検索することだって可能になりますものね。

い:そういった写真とAIとか機械学習の分野で注目されているのが、彩色技術です

堀:Google I/O で Google Photos に搭載予定と発表されていたやつですね

野:げげ、これ使えば白黒写真世代の我々の幼少期の写真がカラーになるのか!

堀:そうなんですよ

い:少し前までは、一応ツールも用意されているんですが、これけっこうテクニカル的にもそこそこ大変でした

い:というか、これだって、ひと昔前を思えば革命的に便利なんですが、Google Photoはさらにそこを自動化してきたわけです。グーグルおそるべし

野:すごい、未来だ

い:こっちの記事の方が、さらにわかりやすいかな。要するに、Google Photoは、まだ万能ではないんですが、写真をGoogle Photoにつっこんでおけば、そのうちどうにかなるってことです

GoogleフォトのソフトウェアエンジニアであるNan Wang氏は、ブログの投稿で次のように述べた。「こうした先読み動作には、機械学習を応用している。つまり、こうした提案が示されるのは、それが適切と判断された写真に限られる。ユーザーは、その提案をタップするだけで、簡単に動作を完了できる」

野:無限未来!

 

い:この辺の技術とかについては、4月から東京大学に移られた渡邉英徳先生が先駆者で、この辺にまとまってますね

 

堀:すばらしいお仕事です

い:これとかホントすごい

堀:ほんとうに

堀:渡邉先生が最初にこういった写真をシェアされていたときには、僕は「カラーにしただけじゃないか」とはじめは思っていたんですよ。

い:あー、なるほど

堀:それが、空襲の様子や、戦火のあと、いまはもうとっくに亡くなられた100年前の子供たちの画像を次々にカラー化しているのをみていて、

い:この辺ですね

堀:急にその風景が今起こっていることのようにみえた瞬間があって、「これはすごいことだ」と頭をガーンとやられた感じがしました。たぶんそれって、白黒の家族写真でも起こることなのではないかと思います

野:確かに白黒写真という制限のある技術は19世紀末から20世紀前半までなんですね。それが記憶を凍結させているというのはよく理解できました。それ以前の絵、肖像画はもちろんカラー。モナリザが白黒だったら、ここまでポピュラーにならなかったでしょうね

い:たしかにー

堀:そしておそらく、先生の一番のお気に入りがこちら

い:ですね

堀:先生は技術を駆使して調整しておられますが、Google Photos にこれから入ってくる機能はおそらく膨大な白黒写真の学習を背景にたいていの家族写真はずばっとやってくれるはずなので

い:そのうち「おい!グーグル!」でどうにかなりますよ、まじ無限未来

堀:そうそう。そのためにも、まずはOmoidoriでスキャンです

野:ですね

い:スキャンして無限未来へ

堀:ほら飛ぶよ!