予告していた第2回 #HHKB ユーザーミートアップ、無事に開催されました。第1回に続き、今回も相当におかしなイベントになっていて、この伝説ぶりはいつまで続くのだろうか?という感じです。

いしたに まさき:HHKB(ハッピーハッキングキーボード)と言えば、いわゆる高級キーボードの代名詞的存在なのは、ここでも何度か記事にしてきております。で、この高級キーボード業界には、もう片方の雄がおりまして、それがREALFORCE。HHKBとREALFORCEで両雄という感じなんです

堀 正岳:キーボードなんてメーカーのつけたものを使うというひとがほとんどなのに、あえてそこに高級にこだわったうえで、さらに二択という、、、

野間 恒毅:まさに私がその代表ですね。デルの安いキーボードを愛用

い:デル(笑)高級キーボードって、ざっくり3万ぐらいですからね、それなりの価格感のガジェットですよね

堀:僕は研究室のサーバーに昔からLinux / FreeBSDをインストールしていた関係もあって、「日本語キーボード不便!」という理由でHHKBをあえて選びつづけてもう20年でしょうか

い:出た(笑)

野:出た(笑)

い:ちなみに私はキーボードは、けっこうなんでもいい派です、なんでもいけます。普段から1日で3つぐらい使いますし、安いのも高いのもいけます。配列もあまり気にしません。最近は、外でiPadを使うことが多いので、若干英語キーボードの時間が長いですね

野:昔AX規格ってのがありまして。AXキーボードを愛用していた時期はあります。AXキーボードが最高です。配列もctrlの配置も、変換キーが大きいこともすべて最高と思ってました

い:それを言い出すと、昔は親指シフトでした。しかもオアシスで(笑)、高校生ぐらいのときか

堀:みんな、CTRLの位置だとか変換だとか、自分の環境にあわせてキーボードを選ぶうちにこの沼にハマるんですよね

い:この話、親父トークが深まるので、それぐらいにしよう(笑)

野:これですよ

い:これかあ(笑)

野:基本英語キーボードなんですけど、無理やり日本語変換キーを割り込ませたタイプ。左上のAXキーが目印(笑)

堀:どちらかというと、REALFORCE はこちらに近いですね

い:ほうほう。で、その辺にしましょう(笑)

 

い:で、そのHHKBのミートアップイベントの第2回が開催されたわけですが、いくつかおかしな点があるこのミートアップ。まずはまさかの2回目開催、そのものがおかしいんですが、もうひとつおかしな点は、HHKBとREALFORCEという両雄が事業提携したということです。そして、そのリリースが、なんと400はてブオーバー

堀:リリースがここまでバズってるというのがすごい(笑)

野:これはどういうことですか?

堀:ひとつには、REALFORCE R2 「PFU Limited Edition」という特別仕様のキーボードを、PFU が販売するという、ちょっとわかりにくい協業のおしらせですね。なんで、HHKBをやっているPFUがREALFORCEを売るのかというのが、多くの人には不思議だと思うのですが(笑)

い:あとは中国マーケットについては、PFUの販売ルートで、どっちも売ると。なので、業務提携

堀:その両方のニュースをあわせてみると、納得感がでるんですよね

い:あとは、もうその日につっこんでいる人たちがいましたけど、そもそも、今のHHKBってREALFORCEを作っている東プレの生産なんです。なので、そもそも仲良し

野:ははあー

堀:そう、そこがわかるといろいろ腑に落ちますね。この高級キーボード市場がいまeSportsなどを背景にとても伸びているらしくて、、、

い:あれびっくりしましたね、21世紀にキーボードがそんな伸びてるのかよって(笑)

堀:当日のスライドでも説明があったのですが、いちばん尖ったスポーツカーみたいなキーボードをHHKBとするなら、小型のREALFORCE R2はクーペのようなもの、そしてフルサイズのREALFORCEはセダンみたいなもの、このすべてのラインで中国市場を狙いますという宣言でしたね。このアナロジーがわかりやすいか、野間さんに聞きたいのですが(笑)

野:正直分かりにくいです(笑)

い:そうなんだ(笑)

野:サイズ感を伝えようとしているんでしょうかね? 2ドアと4ドアセダン、ミニバン、みたいな感じのほうが分かりやすいかもしれません

い:あー、それだ(笑)

堀:そこに、キーボードならではの機能性みたいな概念も入ってくるので、サイズだけでは語れませんし、、、ややこしい!

い:まあ、違う商品だし、、、

野:そうですね、高級とコスパと安価という対比でいえば、ベンツとトヨタとダイハツといえば分かりやすいかと

い:で、このバリエーションの違いを許容するのが、今の高級キーボードの世界ということだと思うんですよね。興味ない人からみれば、違いが見えにくい世界

 

堀:でも、この REALFORCE R2、さっそく触ってみて思ったのは、リリースで説明があったとおり、押下圧はHHKBと同じ45gでも静音性や、タッチがとても違うので、やはりHHKBとは違いのほうが際立つんですよね。どちらが良いというものではなくて、まったく違う体験をしたいときに買うもの、といっていいかもしれません

野:押下圧ってなんですか?

い:そこですよね

野:45gは大きいのか小さいのか

い:まずワードがわからない(笑)

野:あとストローク量、リニアリティ

堀:サスペンションの強さみたいなものだと思ってください。45 はちょっと硬め

野:ストローク量は多いのですか?、あと押下量、ノートPCのキーボードではよくこれが問題になりますよね

い:うすすぎる問題ですね

野:おしなべて押下量が少ないので、パンタグラフ式にしてストローク量を稼ごうという

堀:今回の REALFORCE R2 の場合は、2mmか3mmのスペーサーをいれることでそこを調整可能ですね

い:ホント言ってることがわからない(笑)

堀:スペーサーによって戻りの早さを調整することで、それに近いものを表現してるといってよいかと

野:調整可能って???

い:調整できるんですよ

野:ストローク量を?

堀:キートップを全部一度外して入れないといけませんけどね(笑)

い:そう、しかもキー単位でマッピングも可能という、、、つまり、スペースキーは軽く、Qは重くとかできる。おかしな仕様です、、、

 

堀:ミートアップには、こんな仕様だけではなく、自分の好みでキーボードをつくっているひとなどもおおぜいきていました

野:変態ですな

い:問題はですね。そんなイベントに結局何人ぐらいいたのかな。100人以上は確実にいたということ

野:変態紳士が100人以上も!

い:しかも #HHKBミートアップ これが当日のハッシュタグだったんですが、ツイッターで東京のトレンド入りするという、、、しかも、一瞬マツコを抜いたという(笑)

堀:マツコ抜き(笑)

い:その後、すぐにマツコが抜き返してましたけど、この状況は実に面白かった

堀:イベントに来れなかった人もハッシュタグに参加して熱心に追ってましたものね

い:ですね。以下のリンクが、そのイベント当日のまとめなんですが、いろいろとおかしな発言がたくさんあります

堀:みんな、前回のミートアップでの要望のどこが活かされたのかといったチェックをしていて、厳しくもお目が高い

い:ああ、なるほど。それで冒頭に前回の振り返りがあったわけですね

堀:はい(笑)、面白いのは、「キートップ全部はずしてスペーサーを入れてください」という説明に対して「15分でできるかな」といったように、まったく抵抗感がなさそうな人ばかり(笑)。無刻印だから間違えても平気という人も多いですし、とにかく切れ味のするどいツイートが並んでいるので通しで読むのおすすめです

い:ですです。当日、ユーザーによるライトニングトークなんかもあったんですが、キー配列のここに問題が、、、それは〇〇というツールをを使うといいよーとか、やじ的なものが飛ぶと、、、それはおれがつくりましたーと返答がすぐにくるという(笑)。ここはプロレス会場か(笑)

堀:自作キーボードつくってるひと?と質問されて10人ほど手をあげている会場でしたからね

い:そうそう(笑)、そんなんだから、こういう要望が、、、とかいうと、、、え!自分で作ればいいじゃん!ってレスがまたすぐにつくという、、、あと、これ笑いましたねー

堀:なんで2台同時に使うんだと突っ込むより速く、成蹊大学のShio先生がすっと立ち上がって、手の負担の軽減などについて、とうとうと演説し始めるという

い:とにかく、会場の熱量だけは異常に高い(笑)

堀:僕のとなりに、HHKBのコンセプトを生み出した和田先生が座っておられたのですが、この雰囲気にとても幸せそうにしておられたのが、こちらも嬉しくなりましたよ

い:おお!いいですねー。で、そのその和田先生も和田先生で、、、なんでしたっけねえ、冒頭のお話で「CPUは死んでもキーボードは死なない」といちばん最上段から煽るという、、、せんせい!!

堀:「50年計算機をさわってきて、さまざまに環境は変わった。私だっていまやラズパイを触っている、
でもキーボードは馬が死んでも馬の鞍が残るようにずっと使われ続けるって」さすがすぎますよね

い:なんか勢いにのまれてうなづいてしまいましたけど、和田先生、さらっとすごいこと言ってましたね。そして、その和田先生が、イベントの間中、ずっと白いHHKBにサインを書いているという(笑)。すごかった、もはやアイドルイベントだった、あれは

 

堀:イベントはトークセッションのあと懇親会とライトニングトークだったのですが、ここでもキーボード界では大物の、キーマッピングアプリを開発している人や、キーマッピングを変えるデバイスを開発している人が発表したりして、

い:なんか関係者全員います、みたいな感じでした(笑)

堀:いま、ここがなにかの中心だと思わせる雰囲気でしたね

い:私は、完全にいいライブを見に行ってる感覚でしたね。和田先生が煽って、メーカーが新曲リリースして、お客が感想戦やって、そして、物販がさく裂するという(笑)

い:だって、これですよ(笑)、高級キーボードって、チェキなのかと(笑)

堀:変態だ(褒め言葉)

い:でもね、帰り道にね。ああ、やっぱHHKBはチェキでいいんだなと思ったんですよ。アイドルオタなら、2000円のチェキ10枚ぐらい買うわけで、そしたら、値段としてはあんまり変わらなくなってしまう(笑)

物販写真

野:HHKB106ですか

い:え?

野:キーボードの数字といえば106。なのでアイドルならHHKB106かなあと

堀:いや、HHKBはFnないから

野:いくつなんだろ、キーの数

堀:60ですかね(英語キー!)

 

い:で、なんでHHKBにだけそんなことが起きるのかというと、やはり和田先生というコアがあって、そこで起きていることに対して、メーカーもユーザーも悪ノリしている感が最高ということです(笑)

堀:PFUの松本さんが、最後の挨拶で、とても強い口調で「PFUはみなさんを裏切りません!」と話されていたんですが

い:言い切ってましたねー

堀:普通の会社の挨拶じゃなくて、HHKBでこれを言うことがどれほど高いハードルなのかと思うと、さすがに声に緊張がありましたよね。その本気が好きなんですよ。ファンとしては

い:でも、ホントに実現できるかどうかなんて、実はどうでもよくて、ファンはそのメーカーの姿勢をみているわけで、できなかったら、できなかったで、次!お願いします!となるわけですね(笑)

堀:今回も、押下圧30gの、分割型HHKBよろしくみたいな声が多かった

野:分割型ってどういうことですか?

い:えーと

野:こういうの?

い:そういうのです(笑)

堀:キーボードが分割します(笑)

 

堀:というわけで、REALFORCE R2 テンキーレス「PFU Limited Edition」なのですが、まずは日本語版が先にでて、英語版は7月に発売予定だそうです。Windowsでの利用が想定されているので、Macで使うときはいくつかの機能をキーにマッピングするのが手間かもしれませんが、そこは「覚悟して使うように」とのことでした(笑)

い:あの会場ではそんなこと聞くなって、雰囲気でしたけど(笑)。R2は、実際使ってみてどうでした?

堀:これがですね、、、わからないんです(笑)

い:なぬ?

堀:おそらく違いが微妙すぎて、APCで1mm、2mmと接触点を変えても、まだ指が認識していない

い:「それはお前にはピーキーすぎるぜ」って、セリフがよぎりました(笑)

堀:まったくですよ。でも、HHKBに戻ったときの景色と違うなにかはあるので、設定を変えながら数万字ほど打って指に理解させないといけませんね。キーボードこそ、無意識とつながっているところが多いので、もうちょっと手慣らしが必要かも

い:もう少しなじませないとダメですかね

堀:次の課題にさせてください!

い:なるほどなるほど(笑)。そういうレベルの人たちのツールであることはまちがいないわけですね

堀:でも、ふわっとしたキーの戻りの感覚は、いやあ、R2よいものです

い:小説家の方が月に9万字でしたっけ?、もっと多かったか、15万だったかな

堀:完成原稿15万なら多いほうですよね

い:そのレベルになると、1タイプ×万単位で自分に影響が出るわけで、なるほど、馬の鞍かと!そんなわけで、このREALFORCE R2 「PFU Limited Edition」発売を記念して、キャンペーンが実施されております
強引ですが(笑)

堀:今回は、いろいろハードルの高い話だったかもしれませんが、はじめてのREALFORCEとしてはおすすめなのではないでしょうか

い:たしかに一度そういう世界があることを体感するのはいいことだと、私も思います

堀:車でいうと、なんでしょう野間さん

野:普通に高級車とかスーパーカーでいいと思いますよ

い:だはは

堀:ハードル高いわ!

野:ふつうに100km/h走るのは軽自動車でもできるけど、その質感が違う、疲労度が違う、満足度が違う

い:ああ、なるほど

野:それって、感性性能です。官能評価という軸があって、それが最高なんでしょう

堀:スーパーカーを買う感覚で手に入る、そこにある上質

い:そっか、フェラーリ買うと思えば、だいぶ安いな

野:あえていいますが、「高級感」じゃなくて「高級」ってことです

い:ああ、いいこといいますね

堀:高級キーボードですものね

野:「本物っぽいまがい物」と「本物」の違いですな

い:たしかに本物であることは、まちがいないですね

野:私は、そのテキストをデルのまがい物で打っているわけですが(笑)

 

PFUの「REALFORCE R2 「PFU Limited Edition」発売記念キャンペーン」は6月25日まで!