実は怪獣映画については、あまり明るくなくて、去年の『シン・ゴジラ』も、それほど期待はせずに(でも初日に)見に行った。

結果はご存じの通り、期待値を大きく超えて面白かった。怪獣映画、特撮という文脈を知らない私でも、十分に楽しめる映画だった。

それは『今の日本社会』を十分に批判する作品性を持っていたし、ハリウッド映画ほどの予算はもっていなくても『全体を見せない』ことで、十分に迫力を出せて、観客のアテンションを引っ張れたということもあるだろう。いや、『シン・ゴジラ』はとても面白い映画だった。

しかし、そこで『ゴジラ映画』に対する(私的な)敷居が上がってしまったのは不幸だったかもしれない。正直に申し上げると、私はこの『GODZILLA 怪獣惑星』は楽しみ切れなかかった。


(以下、多少のネタバレを含みます)

いきなりおいてけぼり

いや、勉強不足だったのは否めない。あまり予断がない方がいいかと思って、下調べは皆無で行ったから。

しかし、『舞台が2万年後の地球』だとは聞いてない(笑)

そこで、いきなり、ストーリーからおいてけぼりを喰らった気分だ(笑)

ネタバレというか、最初から語られることなので、ここに書いてしまうが、舞台となる地球は20世紀末に、数多くの怪獣に蹂躙され、最後に登場した最悪の怪獣ゴジラは、怪獣も人類も破壊し尽くし、人類はわずか5000人ほどの選ばれた人々が、11.9光年離れたくじら座タウeを目指して旅してた……という設定。

一応、日本アニメ的には『ハードSF』というカテゴリーになる雰囲気だが、いわゆる小説文脈でのハードSFとは少し違う。科学的な知識に基づく……というよりは、コミカルでご都合主義な部分はあまりありませんよ……というぐらいの意味。

キャラクターデザインが『シドニアの騎士』の森山佑樹だから、雰囲気として似てるのかな……と思ったら、監督静野孔文、瀬下寛之、シリーズ構成村井さだゆき……ということで、多くのスタッフが『シドニアの騎士』と同じ。なるほど『シドニアの騎士』と同じ世界観なワケだ。

というわけで『シドニアの騎士』が好きな人は好きかもしれない。

また、ストーリー原案と脚本は『まどかマギカ』の虚淵玄ということで、まどマギ好きの人にも受け入れやすい面があるのかもしれない(私はまどマギは見ていないので、そこは分からない)。

ともあれ、この映画の独立した世界観が語られる

ともあれ、私をおいてけぼりにして、ストーリーは進展する。

まず、人類の危機に際して登場した宇宙人、ビルサルド、エクシフというのが人類に協力する。エクシフは宗教とからんだ、なんかエルフっぽい人たち、ビルサルドは色黒でガッチリした、まぁいわばドワーフっぽい人たち。そして、何故か彼らも一緒に宇宙をさまよう旅に出ており、宇宙船の中では、酸素も食料も居住区を暖める機能も不足しており、誰もが飢えと、寒さに苦しんでいて、いよいよ人減らしの必要も出てきているという状態。

そして、結局「地球へ戻ろうや」ということになり、長い間かかって進んできたハズなのに、一回のワープで地球へ帰ってくる(おい、どこがハードSFなんだ?)。そして、船内で22年が経つ旅の間に、地球では2万年の年月が流れており、地球は完全にゴジラ生態系の星となっている……。

ここまでの大筋が10分ぐらいで語らえる。この一般のゴジラ認識からはかけ離れたストーリー展開について行けなかったのは、私の罪なのでしょうか?

(以下、さらなるネタバレがあります)

そして、なんと物語の最後には……

まぁ、つまりは私が不勉強だったのかもしれない。でも、私の周囲で見に行った人の評判が良かったので、ちょっと油断しちゃったというのはあるかも。

そして、衝撃のラストシーン……なんと、倒したゴジラはプチなヤツで、本当の2万年前から生きているゴジラは6倍のサイズ(つまり容積的には6の3乗で200倍ぐらいのサイズになっている)という途方もないゴジラが復活して終わる。

そして、以下続編『GODZILLA 決戦機動増殖都市』へと続く……ということなのだ。主人公はちょっと変わった感じの少女(この地球で2万年を生き残った人類の子孫?)と出会い、完成しなかったメカゴジラっぽいものが復活するっぽい。

ええ! 聞いてない!w 

これはちょっとぐらいは調べてから来るんだった。と思ってよく調べると、なんとこのアニメ版ゴジラは3部作として作られ、Netflixで全世界公開されるのだそうだ。

そのつもりで見ればまた評価は違ったのだが、違った思惑を持って、下調べもせずに来た私が悪かったのだろうか?

また、その最初に10分ぐらいで語らえたこの映画の世界観については『GODZILLA 怪獣黙示録』として小説化されているのだそうだ。

うむー。仕方がない。とりあえず、これを読んでみよう。読んで意見が変わったら、またここに書き足しますです。

次回作、次次回作を見るかどうかって言われると……とりあえず、見るかな。

『GODZILLA 怪獣黙示録』の小説を読んで、来春の公開されるという次回作を見てからこの映画については判断することにしよう。とりあえずはそれまでは判断は保留ということで。