今さらScanSnapデビューしてみようシリーズの第3回です。前回は、ScanSnapってもう1000万台も出荷しているの!という話でした。

ちなみに1000万台出荷の普通の人が買えるベストセラー商品を他に探してみたのですが、プリウスが1000万台出荷していました。プリウスすげえな!って、そうじゃないんですが、ScanSnapもそれぐらいすごいってことです。

そして、今回はそのすごい数出荷しているScanSnapを支えるスキャン技術力の話です。

野:なるほど、そうなるとまず書斎の片付けからですな!片付けするぞ!

いしたに まさき:引き続き、ScanSnapの話をしていきたいと思うのですが、スキャンってのはそれなりの技術の蓄積が必要な分野だと思うのです。ということで、こんなページを見つけました。世界シェアNo.1がどーんときてますね(笑)

野間 恒毅:なんか真面目なサイトですね

い:そうなんです(笑)すごくまじめ。先に私が言ってしまいますが!ストーリーと書いてあるんですが、どこから読めばいいのかわからない(笑)

野:またウェブの作りの話になりそうですね(笑)

い:そんなつもりはなかったんですが、、、

野:今かたっぱしからページを読んでいるんですが、このページの構成、紙のパンフレットをwebに直しただけですね

い:ああ、そういうことか、、、

野:大きな章立てはグローバルナビの「世界シェアNO.1の品質、挑戦し続ける技術開発、イメージスキャナのコア技術、安心・安全の製造現場、信頼の高品質」これらが起承転結的な役割です。そして、そのまま、世界シェアNo.1をと言っています。その理由はこれらですと、説明が続いてますね。その結果お客様に評価されていますということですね

  1. 技術開発
  2. コア技術
  3. 製造
  4. 高品質

い:はいはい

野:特に面白いのは、使われ方ですね。想定しているのにそれを超えた使われ方を世界でされていて、不具合がでると。で、それに絶句しながらも粛々と対応して万能化

い:この対応ぶりすごいですよね。紙とスキャンに対応するって文化に対応することだもんなあ

野:最近面白い話をきいたのですが、これまで中国って人口が多いのでなにがなんだか分からなかったのですが、スキャナ技術の発達でありとあらゆる帳簿をぶっこんでデータ化して完全にDB化完了したんだとか

い:それはすごい話だなあ

野:いやまあそうなってくるとホント変わってくるわけですよ。死んでたはずのデータがオンラインになることで生き返るわけで。この調子でいけば、これまで発刊したすべての書籍をデータ化するのなんてわけないわけで、国会図書館とか大宅文庫とかそういうのもデータ化するの一瞬でしょう

い:中国とかだと、まさに死んでた人とかいそうだなあ

野:あと、どこまで進んだのかわからないですけど、Googleがすべての新聞をスキャンしていませんでしたっけ

い:アレキサンドリアプロジェクトみたいな名前でしたっけ、あれは終わったんじゃないかな

野:Googleって1998年に創業した後のWebのデータは全部もっているんだけど、それ以前のデータがない。今のわかいもんはインターネットで調べてでてこないものは「存在しないもの」として認識するもんだから話がややこしい。なので、Googleは1800年代の新聞から全部スキャンしてまわったとか

い:まあ、でも今はどの世代もまずはネットから調べるわけで、そこで見つけられないと心折れて終わりですよね

野:2008年からスタートしてますね

い:じゃあ、もう終わってるはずでしょうね、どうせ自動化しているんだろうし。しかも、どうも紙なくなりそうもない気配ですしね

野:いつかはなくなりますけど、まだしぶとく残りますね。やはりあのフィジカル・タンジブルインターフェースとしての印刷物はオールドタイプには必要です

い:オールドタイプ(笑)

野:あと私は本を読むときには、小説も含めて一番前からシーケンシャルに読まないんです。パラパラっとめくって適当なところから読んでいく。特に実用書はその傾向がつよくて、そういう時は本じゃないとできない

い:ああ、それはよくわかります、私もそうです

野:で、そういうフィジカルインターフェースを除けば、データ化されている方がいい。検索性ですね。特にわれわれは、日本語が象形文字だけに、図形として認識してるんですよね。英文だとできません、英語よくわからないのもありますけど(笑)。漫画の構成、コマワリも完全に本の形式に最適化されてますね。ほとんどは手塚治虫が発明していますが

い:なるほどなるほど

野:スマホ世代にとってはこれが曲者で、コマワリをそのまま載せても効果半減というか、もともと紙がもっていた味が出てこない

い:縦マンガとか出てきてますものねでも、ちょっとまだ不十分かなと思ってますけど(笑)

野:そう、だから縦漫画がスマホ世代のあたらしいフォーマットになっていると思います。とはいえ、まだスマホ世代の手塚治虫がいないんですよ。物語面と表現面の両面を発明するイノベーターが

い:あ、そういうことか。そういえば、少し前にアニメ化もされた「新世界より」というSFがあるんですが、これが日本でKindleが出てきたときに一部ですごい流行ったんですよ。なんでかというと、話の運びに戻り要素がすごく少ないんですよ。けっこう複雑な小説なんですけどね、SFだし。で、このKindleでの読みやすさってなんだろうね?って話を当時したんです。この小説の作者は貴志祐介さんなんですが、この人元々はミステリーの人なんです。ほら、ミステリーって、われに返ると面白くなくなるわけですよ。われを忘れて一気に読ませないと、作中での驚きの効果がうすれるんですよね。そのわれを忘れたままにする技術がすごくて「新世界より」でも、「あ、なんかここ伏線あったかな?」というところになると適度にフォローされていて、すぐに思い出せるようになってるんです。なので、読者はあれこれと迷うことなく一気に読める。ああ、これがKindle最適化だったんだなあと

野:電子書籍は、戻りにくいからですね(笑)

い:そうなんです、単純に戻りにくい(笑)

野:ハードウェアの欠陥に近い。弱点ですな。で、スキャナの話なんですが、そうはいっても電子化はしたい。でも本は壊したくない。そんな場合はどうしたらいいのかってことです

い:ああ、はいはい。非破壊スキャン問題ですね

野:その非破壊スキャナ、ページをひらいてカメラでスキャンするSV600ってのがあるじゃないですか

http://www.fujitsu.com/jp/imagesgig5/sv600_development_pdf_tcm102-3178295_tcm102-2750236-32.pdf

い:ありますね

野:すごくいいこと書いてあるのに、PDFですよ(笑)。なんでWebでは紙相当のpdfに落とすんだって話ですよ

い:ちょっと!まじか(笑)

野:以下のページの一番下、「詳細」を押すと、「詳しく」にリンクがあって、PDFでした

い:ホントだ!ついでにいうと、さらに以下のページの下の方に、そのSV600の動画が貼ってあります

この動画がそうなんですが、、、再生ボタン押してみてください

野:ああ、この動画まずいですね

い:そうなんです。これはさすがにまずいと思いました。というのも、これ限定公開なんです

野:Embedしか許さないということなのかな

い:ただ、このWebの流れで、この動画再生しないですよね

野:しませんね

い:Webコンテンツのヒット記事のセオリーのひとつに動画の解説記事ってのがあるんですよ。つまり、乃木坂46でもない限り、いやそうであっても、ちょっと外側にいる人からすれば、普通は意味を理解してからじゃないと、動画ってみないんです。つまり、このページ、肝心の動画の説明が圧倒的に足りてないんですよね

野:そりゃそうでしょう、細かい話は全部PDFファイルに載っていますから。本来はそのPDFファイルの内容をHTMLできちんとページ作らないといけない、、、

い:あーあーあー

野:っていしたにさん、今回もまたWEBコンテンツ制作の提案になってますよ!

い:仕方がないです(笑)なんでかというと、ここすごく大事な話が書いてあるんですよ!

野:これじゃあまるでタニマチしてもらった上でツッコミを入れる、ドSとドMの様相です。これはプロレスコンテンツですか?

い:ここに書いてあることって、技術のコアの部分ですよね。これがわかりにくいというのは、もったいないとしかいいようがないです

野:スキャナメーカーだからドキュメントカンパニーなのは仕方ありませんけど、ここまで紙紙しなくても。結論としてはみんなPDFを印刷して読んで、ということでしょうか?、そしてそれをスキャン(笑)

い:あ、そうか。たしかにドキュメントカンパニーだった!いやいや、そうじゃない!

野:ミイラ取りがミイラに!それいいな(笑)

い:スキャンするものは自分たちで生み出す!

野:マッチポンプか!

い:で、この話はそろそろ担当が泣くのでやめましょう。で、非破壊スキャンの話でしたよね

野:忘れていました。PDFにいい話が書いてあるのに、コピペもできない・・・

い:号泣(スクショにしましょう、、、)

野:ないわー

い:やむなしです

野:要約すると、自炊が流行ってスキャナが売れるようになったけど、断裁しなきゃいけなくて、それはしのびない。裏返すのもページめくるのも大変

い:ですね

野:だから上から読みとればいいじゃないか、とカメラ方式のスキャナを開発

い:自炊のためにもう1冊買うのもおかしな話ですからね。いい話です

野:ところが強い光をあてるために眩しいという苦情がでて、安全上問題ないけど、不快な製品は出せないといったんはぽしゃった企画。しかし光を工夫するなど技術者が苦労して眩しくないスキャナを作り上げたという美談です

い:ホントにいい話だ

野:その過程でページの歪やおさえる指を画像補正して真四角な画像を得られるようになったとか。ページをめくると自動的にスキャンするとか。

い:ですね、あのデモは感動的だった。あと、お絵かき水族館の話も好きですよ

野:クレヨンで書いた子供たちの絵がスクリーンに投影される、ものですね。

い:で、その話がPDFにしかないという、、、

野:メディアアートで有名なチームラボの作品

い:その話はこっちに出てました。まあ、さっきのページにリンク貼られてないんですけどね、、、

野:(やっぱりWebのコンサルになってきた)ということで、とりあえずPDF読んでください(笑)

い:で、SV600も必要なんですか?のまさんは

野:漫画をスキャンするのに最適、という話を某Youtuberがしてましたね。あれ、逆か?

い:逆ですね(笑)

野:何に向いているんですか。雑誌?図鑑?

い:まあ、マンガは売れるので、どうせどんどん電子化されますよね(たぶん)。アマゾンもあんまり日本で電子書籍のマンガ売れるので、めずらしくがっつりローカライズ対応してきてるぐらいですからね。なので、電子化される可能性が低い雑誌、大判の資料とかですね。私はSV600のおかげでけっこう雑誌捨てられました。この1ページだけキープしたいがために捨てられないとかありますからね。そういう雑誌はきれいになくなりました。それはSV600のおかげです

野:最近はよくiPhoneで写真とって事足りてますけど、それの上級版ですな。画像補正きくのが嬉しい

い:ですね、その画像補正は手順のフローも含めて、とてもよくできてます

野:じゃあうちにあるPerfume掲載のスピリッツをスキャンしたい

い:そういう感じです

野:フラットベッドでもいいんでしょうけど、めくるのが楽なのがいいですな

い:結局、スキャンする量ですね。そういうものがどれだけあるのかって話で

野:ふーむ、なるほど。なんか思ったんですけど、パンフレットとかスキャンすると自動的にウェブサイト作ってくれたらいいんですけどね。そしたらPFUのPDF問題も解決っと、、、

い:いやいやいや

野:いやいやいや、いけるでしょ!

い:いけるのかな。どっかですでにやってるのかな。PFUがそこを買収すればいいんだな。そうなのかな、、、

野:そうですよ。OCRは普通にあるから問題ないとして、グラフィックとテキストを分離して保存。HTML/CSS化するんです。そこまでいけば、ただスキャンしているGoogleに勝てますよ

い:それ、けっこう大変ですよね、、、

野:だからチャレンジするんじゃないですか。PFUならきっとできる、やってくれるはず!ガンバレPFU、負けるなPFU!勝利をつかむまで!

い:ということで、次回!たぶん、まだ続くはず(怒られなければ)、、、

野:なはは(笑)