原作東野圭吾、主演キムタク、長澤まさみ

まぁ、これがイヤなら見る必要はありません(笑)

とはいえ、ホテル映画は面白いんです。

そしてホテル映画の常として、いい助演の俳優さんがいっぱい出てます。

(以下多少のネタバレを含みます)

ホテルを舞台として映画はなんだって面白い

ホテル映画の面白みをいっぱいに詰め込んだ映画といえば三谷幸喜の『THE 有頂天ホテル』とか、橋本一の『王妃の館』とか。

小説でいえば、『王妃の館』の原作を書いた浅田次郎の『プリズンホテル』シリーズとかね。

なぜ、ホテルものが面白いかというと、いろんな人の人生の切片を詰め込めるから。

俳優、女優、小説家、売れない芸人、裕福な老後を送るご隠居、心を病んだ美少女、ごうつくばりの医者、政治家、売春婦、受験のために上京してきた学生……などなど、どんな人生を送って来た人がそこにいても問題ない。

それぞれに、『客室』というパッケージに押し込められて、ドアが開くと登場し、それぞれの物語を織りなす。これがなんとも面白い。

そこに来て、今回の『マスカレード・ホテル』では、そのタイトルの通り、いろんな人生を経てきた人たち誰もがマスクをして、『ホテルの中の自分』を演じるという建て付けになっている。

潜入捜査をする刑事であるキムタクがホテルマンを演じるのはもちろんだが、ホテルマンに人生をささげる長澤まさみも、また『プロのホテルマン』を演じている。そして、誰か分からない犯人も『誰か』を演じてそこにいる。誰もた仮面をつけて、一流ホテルのロビーを歩く。

生瀬勝久、笹野高史、小日向文世……助演陣が最高

登場するキャラクター誰もがそれぞれの物語を背負っているから、助演の俳優も個性派が揃っていて、それぞれいい味を出している。

生瀬勝久、笹野高史、小日向文世、渡部篤郎、高島政宏、鶴見辰吾、石橋凌、勝地涼、松たか子、宇梶剛士、濱田岳、前田敦子、橋本マナミ……これらのキャラクターが、キムタクと長澤まさみとやりとりをしているのを見ているだけで面白い。

SMAPを離れたキムタクが、今後どうやって生きて行くのか。「何を演じてもキムタク」と揶揄されるとか、46歳・職業アイドルってどうなんだとか、いろいろあるけど、映画の中ではやっぱりカッコいいキムタクで安心感がある。

最近は主演すればかならずヒットといういワケではないようだが、出来のいい本作がキムタクを支えてくれるといいのだが。