『ミッション:インポシブル6/フォールアウト』見てきた。いやー面白かった(笑)
これに関しては『カメラを止めるな!』みたいなネタバレもヘチマもないので、ある意味気楽に書ける(笑)
お気楽に楽しめる痛快アクションという意味で、ミッション・インポシブルシリーズは定番の一本だ。
ちなみに、最初のミッション・インポシブルをトム・クルーズがプロデュースしたのが、33歳の時。1作目の公開は1996年。以降、2000年、2006年、2011年、2015年、2018年……と、意外と間をおきながら、しかし定期的に公開されている。
どの作品が好きかと言われると悩むが、1作目はいにしえのスパイ大作戦(原題がミッションインポシブル)のフォーマットをなぞるスパイ映画っぽさが濃いもの。今よりアクションシーンは少なく、敵味方がコロコロ入れ替わるサスペンス感溢れるものだった。それでも、あの有名な地面スレスレの水平宙釣りシーンは印象的。もしかしたら、あのシーンがその後のアクション中心の展開へのキッカケだったのかもね。
2作目はちょっとジョン・ウー監督作品。他の作品とは毛色が違うが、派手なアクション路線を決定づけた作品かもしれない。冒頭のユタ州の断崖絶壁でのロッククライミング、エキゾチックな美女ナイア・ホールとのポルシェ911カブリオレとアウディTTロードスター(初期型)のヒルクライムカーアクション、クライマックスの浜辺でのバイクアクションが印象的。
3作目でJJエイブラムスが監督になり、以下、彼が監督だったり製作指揮だったりで関わり続けている。定番のシリーズを、旧来のファンの期待を裏切らず、リファインして魅力を増して行く……という難しい課題において、彼の右に出る人はいない。かくして、スタートレックも、スターウォーズも、ミッションインポシブルも彼がシリーズを作り続ける……という謎な状態に我々はハマっていくわけだが。
ともあれ、そんな中の6作目、『ミッション:インポシブル6/フォールアウト』だ。
(以下、多少のネタバレを含みます)
トムはいったい何歳までアクションで戦い続けるのか?
まぁ、プロットやなんやかんやはともかくとして、最近のこのシリーズのプロモーションの最大の売りは、『スタントを使わないトム・クルーズのアクション』である。
1作目は宙釣り、2作目はロッククライミング、3作目は上海のビルからの宙釣り、4作目はブルジュハリファの壁面を駆け降り、5作目では軍用ジェット輸送機の扉にしがみついて離陸し、本作では成層圏ギリギリの超高高度からのHALOジャンプをやってのける。
しかし、今や、彼も56歳。こんなことをやっていていいのか? と思うが、果敢にもそれに挑戦してやり遂げる彼に、我々オジサンは勇気を貰わざるを得ない。
50歳の声を聞くと通常はそのへんの鉄棒での懸垂さえままならないのが一般のオジサンだと思う。
トム・クルーズは56歳にして、飛び降り、走り、ジャンプし、転がり回り、殴り合いをするのである。エライ。
たしかに、体型もさすがにちょっと年齢を感じさせるものになってきたし、顔も年齢を感じさせるものになってきた。実際にスタントの途中に骨折さえしている。パンフレットの情報によると、骨折しているのにトムはそのスタントをやり遂げ、全治9カ月と言われたのに、6週間で撮影に戻ってきて、9週間後には全力疾走するようになっていたという。
いいのか、トム? ハリソン・フォードも、マーク・ハミルも、レオナルド・デカプリオも、世の中の大半の俳優は老いを受け入れて、そういう役柄にシフトしている。なのに、トムクルーズは第一線で身体を張り続けている。
誰だってロートルと言われたくない。管理職になって太い腹をイスに収めるより現場で活躍したいという人は多いだろう。だから戦い、そして敗北を認めて、歳を重ねていくのだ。
だが、トムは戦い続けている。だからこそ、トムは我々オジサンのヒーローなのだ。
しかし、このままでは、M:I7の頃には60歳を越え、M:I10を撮影する頃には70歳になって、いくらなんでもどうにもならなくなるだろう。トムがどうやって最大の敵『老い』と戦うのか、興味深い。
女性関係も男の夢を体現
ちなみに、今作では、ヒロインも豪華な布陣だ。
左からジュリア(元妻・ミシェル・モナハン)、エリカ・スローン(上司・アンジェラ・バセット)、イルサ・ファースト(新恋人・レベッカ・ファーガソン)、ホワイト・ウィドウ(敵・ヴァネッサ・カービー)。
まぁ、エリカがヒロインかどうかはともかくとして、穏やかで家庭的で芯の強いM:I3から登場の本妻ジュリアに、よく似たタイプで情熱的な新恋人(といっても前作から登場してるけど)イルサ、そして本作新登場、ちょっとキレてて、悪役だけど、だからこそ魅惑的なホワイト・ウィドウの登場。元妻、新恋人、アブナイ適役……に素敵な女性がいるなんて、これまたオジサンの夢なんである。
あれ? でもそういえば、ラブシーンはなかったような。もういいのかな(笑)
本作で活躍するバイクはBMW RnineT
最近のミッション・インポシブルはバイクアクションも売り。
そういえば、M:I2で、トライアンフT595とスピードトリプルでバトルを見せてくれたけれっど、M:I5では、BMWのS1000RRでカッコいいアクションを見せてくれたよね。
本作でトムが乗るのは、BMW RnineT(アールナインティ)というちょっとクラシカルはBMWバイク。フランスの警察官が乗るR1200RTなどとともに派手なアクションを魅せてくれる。
そういえば、バイクのエンジン音がフラットツインのものではなくて、直4のものだったのは少々興ざめだったけれど、M:I2で、アクション途中でタイヤがBSのBT50から、ミシュランの59X、ブロックパターンのオフロードタイヤへとコロコロ変わったことを思うと、まぁそのあたりはアクションと盛り上がり優先なのかもしれない。
ともあれ、アクション満載の本作はとっても面白い。
次作はどうなるのか、ホワイト・ウィドウも活躍しそうだし、イルサとの恋も盛り上がりそう。CIAのエリカとの関係も修復されたみたいなので、次もまた激しいアクションを見せてくれるだろう。60歳越えのトムがどう生きるのか? そのあたりも含めて楽しみに見たい。