夏のあいだダイエットをしていたみなさん、進捗はいかがでしょうか?

前回は「最後に◯◯kgだったのは何日前か?」という、変化を頻度でとらえる方法についてみてみましたが、今回はもう少しそれを深く見た目にわかりやすい方法へと進めてみましょう。

たとえば、とくに毎日の食事や運動を気にしていなくても、体重は夏に下がり、冬に向かって増えてゆく傾向があります。もちろんこれは、冬のほうが寒くて行動的でなくなることに強く引っ張られているのですが、秋についつい食べすぎてしまってその習慣が残ってしまうことにも影響されています。

なんだか食事に注意して、運動もしているのに最近ダイエットの効果がなくなってきたかも?という違和感を感じたときに、それを一発でわかりやすい図にする方法があると便利ですよね。

そうした長期傾向の変化をとらえるのが「トレンド線解析」という手法です。

トレンド線とは、株式でもおなじみの数値の大まかな推移のことです。でも、私たちはふだんこれをほとんど使っていません。

ダイエットが進んだときに、よく「◯ kg減ったよ!」と口にしますが、それはほとんどの場合「ビフォーとアフター」のことを指していて数字が大きくて当たり前のものです。最初と最後だけではなく、せっかく途中のデータもとったのですから、それを活用してみましょう。

そこで、えいやっと体重の変化を一本の線でおおまかにとらえてみます。この直線を「線型トレンド」といって、データを学校で習う y = ax + b の直線で近似したものです。

正確な計算の仕方は後述しますが、目でえいやっと線を引いてもそれほど間違えることはないでしょう。大事なことは、ここで a、つまり傾きの数字が負であるかぎりはその期間で体重は減っているのですから、ダイエットは進んでいるという点です。

しかしトレンド線は最初と最後だけではなく、20日のトレンド、50日のトレンド、直近15日のトレンドといったようにさまざまに描くことができます。たとえば最初の15日間と、最後の15日感を描いたのがこちらの図です。

ダイエットを始めたばかりの15日間のトレンドは傾きが -0.064、つまり一日あたり 64g の減量とかなりのハイペースになっていますが、最近だとしだいに筋肉もついてきたので -0.032、一日あたり32g 程度に落ちています。

トレンド線の傾きはどのように求めればいいのでしょうか?

手軽なのは体重のデータを Excel に入力して SLOPE 関数を利用する方法です。1列目に日数、2列目に体重をいれ、2列めを既知のy、1列目を既知のxとして計算するのです。

あとはこれを、たとえば前後1週間をふくむ15日間について中央の日をずらしながら計算していけば「トレンド線の推移」を描くことができます(平滑化したデータに行っていますので、上のグラフと多少数が異なります)。

この図は一つ一つグラフの点がトレンドの傾きですから、とにかく 0 の線を下回ってさえいれば、ダイエットは進んでいることになるのです。そうしてみると、最初の頃は調子がよいですが途中で少しリバウンドして、最近になってまた調子が戻ってきていることがわかりますね。

実はダイエットで本当に気にしないといけないのは体重そのもののグラフよりもこちらのトレンド線なのです。こんどダイエットについて語るときには、ぜひ「直近の15日トレンドで、一日あたりマイナス30gをキープしているよ!」という具合に宣言してみてください。一気にギークっぽくなりますが、半端のない説得力がでるはずです。

さあ、ここからが勝負です。夏のデータを入力して、これから涼しくなってゆく季節にむかって毎日直近のトレンド線の傾きを描いてみてください。

多少傾きがゆるくなり、ほとんど 0 になってしまうのは仕方がないでしょう。でも強く傾きが正の数字になるのだけは、なんとか食い止めたいものです。そのためにも、トレンド線解析はつよい味方になるのです。

ところで!

この記事のアイキャッチ画像に使われているのは、FOSSILの北欧デザインをイメージしたブランド SKAGEN(スカーゲン)のスマートウォッチです。SKAGEN Connectedテクノロジーによって、この機種もスマートフォンと接続して毎日の活動量を記録したり、データを保存するのに使えるのです。

FOSSILやMisfitのそれとはまた違ったクールなデザイン、好みの人も多いのではないでしょうか?

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