何だか、とんでもないものを見たような気分です。終演後しばらく呆然としてしまったほどです。

いやぁ〜驚いたなぁ〜すごかったな〜。まじで。

2019年6月29日。渋谷・TSUTAYA O-WEST。

「かみやど」のデビューワンマンライブ「かみがやどるばしょ~あなたはどんないろにそめるの?~」が開かれたので行ってきました。

かみやど」ーー通称「ひらがなかみやど」は、原宿発のアイドルユニット・神宿の新メンバーオーディションで最終候補にまで進みつつも落選したメンバー6人で結成された研修生ユニットです。

その最終オーディションが4月29日で、デビューが発表されたのが5月21日。研修生といいながら、怒涛の猛スピードでワンマンライブが開かれることになったわけです。アイドル活動や芸能活動の経験者が数人いることは何かで読みましたが、それでも「おいおい無茶しやがるなぁ」と思ったんですけどね。

ばかでした。ええ、超ばかでした。

そりゃあ確かに、いささか雑なところはありましたよ。歌にもダンスにも。でも、それにも増して不思議な「安心感」のようなものがありまして。何というか、デビュー戦なのに、しっかりセンター前に打球を飛ばして見せてくれたような感じ。

ようするに、想像をはるかに超えた「ちゃんとした」アイドルグループのステージが、その時そこにあった、と。ホント、そんな感じだったんですよね。

そもそも「かみやど」に興味を持ったのは「ひらがな」だったからでした。

彼女たちのデビューより前に、現在の日向坂46である「けやき坂46」通称「ひらがなけやき」というアイドルグループがありまして。筆者は、そのグループの新参ファンのひとりでしたので、きわめて単純に「ひらがな」っていうだけで、たちまち反応してしまったわけです。

欅坂46のアンダーではなく、あくまでも「ひらがなけやき」として、いささか不遇ながらも独自の活動を続け、ついには新たな坂道グループとして単独デビューを果たした日向坂46の姿が「ひらがな」の呼称に重なったんですね、きっと。

そして「かみやど」の成り立ちは、テレビ番組を通じて結成時から見ていた「モーニング娘。」を連想させるものでもあります。そんなのワクワクするのに決まってるじゃないですか。

しかも、あの神宿の研修生グループなんですよ。2015年の東京アイドル劇場での神宿定期公演や翌年1月のTSUTAYA O-EASTでのワンマンライブを見て、その全力パフォーマンスを肌で感じた身としては、どんなふうにその「神宿イズム」的なものが継承されつつあるのか、期待せざるを得ませんでした。

そんな「かみやど」のデビューライブ当日は、あいにくの小雨。にもかかわらず、600人収容の会場は超満員。期待値の高さがうかがえる熱気のなかで、彼女たちのステージがはじまりました。

デビューしたばかりの彼女たちには、まだオリジナル曲がありません。当然のように神宿の曲のカバーからスタート。「はじまりの合図」「タフ♡ラブ」の2曲を披露するんですけど、もうね、最初から笑顔全開ですよ。本当は緊張してるのかも知れませんけど、それを全然感じさせません。(その直後のMCでの自己紹介では、さすがにぎこちなさを感じさせるメンバーがちらほらいましたけどね。)

白眉だったのが、次に披露した神宿以外のカバー曲。ももいろクローバーが路上ライブで歌っていた「冷凍みかん」、Perfumeが初めて中田ヤスタカから提供された楽曲「スウィートドーナッツ」と続け、あげくにライブアイドルの現場では定番中の定番、Buono!の「初恋サイダー」までやっちゃって。そりゃもう、会場おのずとブチ上がりまくり! メンバーもノリノリ! 完全に宴です。

その勢いのまま、最後に神宿の「Action!」をテンション高めで締めくくって、およそ30分間のライブが終了しました。

いやもう、あっという間! でも、もっと見ていたいし、まだまだ見ていられるパフォーマンスでした。スピード感があって相当に激しい楽曲が続いたものの、何だかとても心地よい時間だったんですよ。

たぶんそれは、メンバーそれぞれの「思い」が、限られた時間・ひとつの空間に炸裂したからなんでしょうね。

たとえばーー

テレビ番組やCMへの出演経験がありながらも、アイドルになりたい一心で数々のオーディションを受け続けてきたという石綿なこさん。(▲写真左)

幼い頃からオーストラリアで育ったものの、どうしてもアイドルになろうと決めて日本へ帰ってきたという荻田ここさん。(▲写真中)

これが最後と心に決めて挑んだ神宿オーディションで落選したが「やっぱり歌うこと踊ることが好き!」と改めて感じたというアイドル経験者、目ヂカラがやたらと強い辻ゆかさん。(▲写真右)

アイドルグループで活動していたものの消化不良のまま契約解除となり、それでもアイドルとして生きることを選んだという桜木ことさん。(▲写真左)

もともと自動車関連会社で正社員として勤務。落選後は職場に戻るつもりだったが、グループ結成が決まって退職を決意した最年長で、MCが苦手かも知れないリーダーの藤田みゆさん。(▲写真中)

母親のすすめで神宿オーディションを受けて落選。「6人で神宿以上のものを作りたい」と感じるようになったというグループ最年少、ちょっと天然っぽい高田ももさん。(▲写真右)

ーーおそらく、そんな6人がもつ「熱」が融合して、その化合物として「かみやど」が生まれたに違いありません。挫折やら悔しさやらを共有しながら、それでも「この6人でならやれる!」と思えた気持ちって、たぶんケタ外れに強い。

そう。彼女たちは「本気」なんですよね。本気で歌って踊って、本気で大勢の客たちに挑みかかって、アイドルの本気を見せつけようとしている、と。何か、そんな感じがするんですよねぇ。「神宿」の本気はもちろん「ひらがなけやき(日向坂46)」や「モーニング娘。」の本気のDNAみたいなものを、ちゃあんと継承してるような気がします。そのステージに「安心感」があるのは、真っ当にアイドルしているからこそではないかと思うのです。

もちろん「本気のアイドル」なんて山ほどいると思いますよ。アイドルなら誰だって本気ですよ、たぶん。でもね、6人のメンバー全員の「照れ」とか「怖れ」とかを感じさせないような、暑苦しいまでの「真っ直ぐな本気」を見せられたら、そりゃもう推すしかありませんよね。

今年12月2日には、渋谷のWWW Xでセカンドワンマンライブを開催することが決まっている「かみやど」が、次にどんな本気のパフォーマンスを見せてくれるのか。彼女たちの本気に負けないくらいの「本気」で楽しみに待ちたいと思います。

ちなみに。神宿では小山ひなさん推し、日向坂46では渡邉美穂さん推しです。さて、かみやどでは、どのメンバーを推しますかね。これまた本気で考えてみたいところであります。

 

 

 

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