累計3800万部超を売った大ヒットコミックス『キングダム』が映画化された。
ここまで有名な作品が映画化されたとなると、『原作ファンが観て、楽しめるのかどうか?』はとても大事な視点になる。
先だって、『空母いぶき』でガッカリしたところだが、『キングダム』だって、ファンの多いコミックスだけに、そういう『原作ファン激おこ』リスクのある映画化だ。
原作が壮大な物語だけに、映像化して陳腐にならないのか? そこが問題になる。
広大な中国の景色、何十万もの大軍勢、まるで北斗の拳の『ラオウ』のように、巨大な体躯を持つ『大将軍』たち……これらの、『史実を元にしつつも誇張されたイメージ』を、上手に映像化しないと、多くのファンに罵声をなげかけられることになるだろう。
さて、どうだったのか?
(以下、多少のネタバレを含みます)
王騎と楊端和、河了貂が、とってもいいぞ!
結論から言うと、面白かった。
私は原作の熱烈なファンというワケではないが、ひと通り読んではいる。
そんな私でも違和感なく、楽しむことができた。
とりわけ気に入ったのは、原作を読んでる人ならファンも多いであろう『王騎』の表現だ。独特なキャラクターを持つ王騎を演じるのは大沢たかお。筋トレをして、身体を大きくして臨み、鎧なども専用のものをデザインしたというが、実に『王騎』っぽいキャラクタになっている。
長澤まさみの楊端和、橋本環奈の河了貂もいい! 特に楊端和ははまり役だと思う。河了貂はこれから賢くなっていって、クレバーな女性のイメージを付け加えていくのに、橋本環奈でいいのかどうかっていうのはあるけど。
高島政宏の昌文君とか、満島真之介の壁とかも良かった!
脚本がしっかりしている。ロケもCGもちゃんとしてる。やっぱり資金が大事なのか!?
壮大な話のたった5巻分の話しかしてないんだけど、結果的にそれが良かった気がする。
信の幼少時代からの話と、王宮奪還、そして人生の目標となる王騎との出会いまでがピタリと描かれていて、非常に収まりがいい。
同じ原作がある物語としても、『空母いぶき』の原作破壊ぶりや、『居眠り磐音』の説明不足加減に対して、『キングダム』の脚本の取り回しの良さが光る。
あとは、CGも良いし、中国での撮影、そこに多量の馬(100頭とのこと)やエキストラ(1万人を用意したらしい)を用意する、ちゃんとしたセットを作る、日本各地でロケをする……みたいな、かけるべきところにちゃんと手間ひまかけて、コストかけてるところが、確かな作品作りに繋がっているのではないだろうか?
単純にCGを使うにしても、コンピュータ内で完結するのと、広大な中国の背景を撮影してくる、軍勢を一部でも撮影してくる(結果的にそれをコピペするにしても)……みたいなコストをかけることが、とっても大事なんだなぁ……と思った。
脚本などクリエイティブもしっかりしているし、多分資金力の方もしっかりしてて、ロケやエキストラ、CGなどにもちゃんとしたお金がかかってる。お金がすべてだってことはないんだけど、やっぱりやりくりが厳しい映画はバレてしまうってことなのかなぁ。
ともあれ、良く撮れてて、練れてて、面白い映画だし、映画館の大スクリーンで観たい映画なので、ぜひ劇場でやってるウチに足を運ばれることをお勧めします!
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