楽器をたしなむ人なら、演奏している曲のテンポをとるためにメトロームを活用するでしょう。学校で誰もが触れたことのある、あのコッチ、コッチと鳴るやつですね。

そんな巨大で扱いにくいメトロノームはすでに過去のもので、いまではスマートフォンのアプリを使う人のほうが多くなっています。設定するだけで軽いバイブレーションを発生させる仕組みになっていて、ポケットに入れたり、座席に置いて使うわけです。

しかしそれだって練習する場所や楽器によっては邪魔ですし、振動が小さすぎて分かりづらいという難点があります。それを解決するために、有名なメトロノームアプリの開発者が開発したのがSoundbrenner Coreです。

アプリと連動してメトロノームになってくれるだけでなく、チューナーにも、デシベルモニターにもなるという多機能なこの製品、なんとKickstarterで目標額の10倍、5000万ドルを集める大人気プロジェクトとして注目を集めてます。

アプリからハードウェアへ

Soundbrenner Coreの開発者たちは、この製品を作るにあたってとても興味深いビジネスの作り方をしています。

まず最初に、かれらは2015年の12月に “the Metronome” というそのものズバリの名前の美しいデザインのアプリを無料で、広告なしにリリースしました。どんなジャンルのビートにも対応できる高機能さ、液晶をタイミングよく点灯してテンポを取る機能、セットリストを作ってシェアする機能といった、メトロノームアプリに求められているすべてを目に美しいデザインのアプリとして提供したのです。

当然、このアプリはストアで1位となるわけですが、そこで次のステップとして、このアプリと連動するSoundbrenner Pulseというリストバンド型のメトロノーム製品をクラウドファンディングして成功に導いたのです。アプリを製品にバンドルするのではなく、先に無料アプリとして提供してから、そこにハードウェアへの導線を作ったわけです。これは賢い!

Soundbrenner Pulseは大人気となりつつもさまざまにバグがあったらしく評価は分かれているのですが、Soundbrenner Coreはさらに完成度を高め、追加の機能を詰め込んだ後継機になります。

4つの機能がつまったSoundbrenner Core

Soundbrenner Coreは、まずはPulse同様、スマートフォンとは比べ物にならない強い振動でビートを刻むメトロノームです。手首につけてもいいですし、ベルトを使って胸につけても、足首に装着することも可能です。

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また、本体の一部を一部を着脱させて、ギターの表面などにとりつけてチューナーにすることも可能です。

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これはいったいどういう仕組なんだろうかと不思議になるのですが、取り付け型のチューナー同様に、本体が振動を感知するようになっているようです。

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3つ目の機能として、内蔵されたマイクがデシベルモニターになっており、音量が大きすぎると注意を促し、必要に応じて耳栓などで耳を守れるようにしてくれます。長時間、大音量にさらされているときに忘れがちなリスクを防ぐための機能です。

また、Soundbrenner Coreは普通の時計としても利用でき、アプリと連動したいわばスマートウォッチの一種として生活でも利用できるようになっています。

Kickstarterプロジェクトはあと数日。ほしい方はぜひお急ぎを!

Soundbrener Coreは2種類のタイプがあり、普通のCoreモデルと、スチール製の少しだけ重く上質感のあるSoundbrenner Core Steelがあります。

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こちら、Kickstarterでは500万ドルを目標額としてプロジェクトが始まっていたのですが、2200人以上の出資者が集まっていまでは5000万ドルを越える大成功プロジェクトにまでなっています。

こうして出資が桁違いに集まったプロジェクトはときとして開発能力が追いつかずに製品が届くのが遅れてしまうこともあるのですが、すでにPulseをAmazonなどでも販売した経験をもっているSoundbrenner社のことですので、そのあたりはあまり心配はなさそうです。

プロジェクト終了まであと数日、興味のある方はぜひチェックしてみてください。