現代のアイドルが可愛いだけではない、ということはこの連載をご覧いただいている皆様はすでに実感いただいているかと思います。
「楽曲派」と呼ばれ高い音楽性を評価されるグループも数多く、同時に圧倒的なライブパフォーマンスも評判を呼んだBiSHはすでに一般層にも知名度を拡大しています。端的に言えば、完全に売れました。
そんなBiSHに負けず劣らず、いや歌とダンスで言えばそれを凌駕するかもしれないグループが、関西を中心に活動しています。
そのグループが「大阪☆春夏秋冬」。とにかく、歌とダンスが巧い。とんでもなく巧い。
不思議なグループ名ですが、その実力たるや圧倒的で説得力抜群。
パフォーマンスを見た指原莉乃が「大阪さん」と「さん付け」してしまうほどパワフルでエネルギッシュなヴォーカルとダンスが代名詞です。
17〜20歳という年齢層で構成されるメンバーは6人。
メイン・ヴォーカルは、MAINA。そして、ANNA、MANA、EON、YUNA、RUNA。
全員がヒップホップダンスやジャズダンス、そして日本舞踊などの熟練したダンサーです。
そのため、彼女たちのダンスは振り付けの域をゆうに超越しており、楽曲の世界観をまざまざと現出しています。言われたことをただ熟しているわけではなく、自分たちなりの解釈を加えて表現できているのです。
これはもうひたすら余裕の為せる業と言えるでしょう。
百聞は一見に如かずということで、まずは、オーディエンスの気持ちをガッチリと掴む爆アゲ曲「Let you fly」。
ヴォーカルのMAINAによる個性と実力が炸裂した歌声は、物理的な力を宿して私たちの心だけでなく肉体さえも揺さぶります。
そして、代表的な1曲である「New Me」を。
PVからもわかる驚くべき、寸分違わぬダンスのユニゾンぶり。
ダンスのスキルがとにかく高いのです。だからこそ表情もしっかり造れるし、振り付けをビタっと合わせることもさも簡単にやってのけるのです。
「SPARK」において彼女たちが見せるロックダンスは、見慣れたアイドルのダンスからは一線を画すもの。
ここまで来るともうとにかく、歌巧い、ダンス巧いという感想しかでてきません。
他のアイドルも歌やダンスには真剣に取り組んでいるのでしょうが、大阪☆春夏秋冬は数段レベルが違います。
間違いなく、彼女たちのパフォーマンスはアイドル界随一。
トーク番組などに出ても、軽妙に立ち回り、明るく朗らかで楽しい。
なんという才能の集合体か。
しいて問題をあげるなら、高すぎるパフォーマンス能力を持つがゆえに「成長を見守る」「育てる」といった現在のアイドルにおけるスキームに当てはめ辛いかも・・・と思ってしまうことでしょうか。だって、手放しでもう凄いんですもの。
見れば見るほど、その凄さに引き込まれる大阪☆春夏秋冬が、ヴォーカル&ダンスユニットとして一般層の耳目を集める日は、きっと遠くないでしょう。