あるとき某編集長に言われたんですよ。

「おまえは頭が白いんだから、白いカレーを食べて来るといいんじゃない?」って。

そう確かにぼくシラガ頭ですよ。ほぼ総シラガですよ。

でも、それと食べ物は関係ないじゃないですか。何なんですか、いったい。

ま。いいんですけど。カレー好きですから、いいんですけど。

と、いうわけで。吉野家の「白カレー」です。

この連載の第一回で同じ吉野家の「黒カレー」を取り上げましたが、今回はそのアンサーソング的な感じでお届けできれば、と。うそですけど。

っていうかコレ、どう見てもクリームシチューじゃないですか!


最近の吉野家のメニューって、なんというか、いい意味で頭おかしいんじゃないかと思うものが増えてきましたよね。

牛皿&カルビ焼肉の「牛牛定食」とか、肉だけ4食分の「牛鍋ファミリーパック」を店内でも提供するとか。どう考えてもおかしいでしょ、これ。

で、吉野家ついにカレーを白くしちゃった。

黒カレーがあるんだから白カレーがあってもいいじゃないか、みたいな。どうせそんなノリなんでしょうけど。

公式サイトにもわざわざ「インスタ映えはしません」って。

世間の飲食店にはインスタ映えするメニューの開発に懸命なところだって多いっていうのに。流行語大賞なめんなよっていう話ですよ。

……と、ブツクサ言ってても仕方がないので、いざ実食です。

いくら何でも白カレー(並盛350円)だけじゃあ素っ気ないので、牛白を頼んでみることにしました。牛丼のアタマをオンした「牛白カレー(並盛550円)」ですね。

実際、ゲンブツを目の前にすると、想像以上のクリームシチュー感です。

スプーンでちょいと掬ってみると、粘り気の強いトロみ。クリームシチュー感さらにアップ!

えいっとばかりに、ひとくち食べてみました。えいって。

ん?

んん??

ナンダコレハ!

いえね、びっくりするほどちゃんとスパイシーなんですよね。

カレーっていう感じじゃないんですけど、12種類のスパイスを使っているということで、結構フクザツな辛さがありまして。なんというか、ちょっとエスニック寄りな感じ、と言えなくもないような。

どう言えばいいのかわからないんですけど、とりあえず見た目とのギャップが激しすぎて、素直においしいって言えない雰囲気なんですよ。

で。

試しに、口に入れる直前に目をそらしながら食べてみたんですよ。こう、白カレーだってことを意識しないようにして。

するとね。

意外においしいんですよ、これが!

トロみが付いたタイグリーンカレーっていう感じで、わりとイケる!

何このマジック!アメージング!

ようするに料理の味って、味覚だけじゃなくって視覚でも味わっているってことなんでしょうね、きっと。そのことが白カレーを食べると、よ〜くわかります。

ただ、プレーンの白カレーには具が入っていないので、やっぱり牛丼のアタマ乗せの牛白カレーで正解でした。

あ。

どうせだったらホルモンの牛シロを乗っけて「白白カレー」なんてどうですかね、吉野家さん。

もう、とことん悪ノリしちゃっていいんじゃないですかね、この際。

 

コスパ度:★★★★★
満腹度:★★★★