ダイソンがEV参入で世界がビックリしたようですが、世界の動向を探るModul.jpとしては驚くにあたわず。その理由をこれからご説明しましょう。

まず確定的だったのが3年前の買収劇。

英国ダイソンは2015年10月23日、固体電池技術の研究開発を進める米国Sakti3を完全子会社化すると発表した。Sakti3は電池技術開発ベンチャーで、プロトタイプとして開発した全固体電池は、バッテリー密度で1100Wh/l以上を実現したという。

1000億円単位の金が動く、2025年までにEVに搭載へ – 日経テクノロジーオンライン

モーターと電池が揃ったら、そりゃあEVやるに決まってますよ。

だってそもそもサー・ジェームス・ダイソンの出自はのりものですよ。

 James Dyson: Innovation as a Way of Life – The Mark of a Leader

手押し車にボート、そして水陸両用車

だからもう我々としては「知ってた」という感想しかありませんね。むしろ掃除機とか寄り道。

Dyson氏のメッセージ中の図。1990年に開発を始めたサイクロンフィルターのスケッチ(その2) (図:Dyson社提供) 英Dysonが2020年にEV発売へ、約3000億円を投資 – 日経テクノロジーオンライン

ディーゼル自動車の粉塵を解決しようとサイクロン機構を入れたけど当時は環境への関心がひくく実用化できなかった歴史もあります。

James Dyson Is Designing A Giant Vacuum-On-A-Boat To Clean Ocean Trash – The future of business

川のゴミをサイクロンで綺麗にしようという掃除ボートのアイディアも発案しています。掃除機もそうですが、サー・ジェームス・ダイソンは非常に「環境」に敏感なんですよ。だから排気ガスをださないEVが大気汚染や地球温暖化問題を解決することに感心をもつのは当然の成り行き。

そしてロボット掃除機の登場です。

ロボット掃除機のテクノロジー|Dyson 360 Eye™ ロボット掃除機|ダイソン

たまたまこれ掃除機能いれてますけど、360度カメラによる画像認識、自動マッピング・空間把握技術を20年間かけて開発したということを聞いたとき、これって完全に自動運転技術なわけですよ。

ということでキーテクノロジーは全部揃いました。

モーター、電池、そして自動運転

これは予想ですがおそらくダイソンは最初から「世界初の完全自動運転自動車」を2020年に投入してくるものと思われます。

ドライバーレスだからインテリアの構造もこれまでとはまったく異なるものになるでしょう。もしかしたらコーヒーカップのような乗り物かもしれませんよ。

2020年が今から楽しみです。

▼リンク先に、James Dyson氏からDyson社社員に向けた「ダイソンの考える電気自動車について」というメッセージが全文掲載されています。ぜひ、ご一読を

排気管にフィルターを使用しガスに含まれる有害物質を取り除くのではなく、排気ガス自体を問題とみなし、それを解決する力が現在のダイソンにはあるのです。