映画見てきた:まず馬を射るから大人は感涙『トイ・ストーリー4』

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トイストーリーシリーズ、いやピクサーの映画は本当によくできてる。

先週、話の煮詰まっていない『天気の子』を見たから(それは新海誠監督の良さでも悪さでもある)、余計そう思うのかもしれないが、実によく設計されている。

起承転結、往きて帰りし物語。奪われて取り戻す。新しいキャラクターが活躍する分、古くからいるキャラクターの活躍が抑制されていたり。それぞれのキャラクターの立ち位置と、役割は練りに練って検討されており、誰が狂言回しで、誰が観客の視点となるか? なども綿密に設計されている。画面の明るい、暗い。暖色、寒色。止めの画、動きの画。光を柔らかく回すか、スポット光にするか? 焦点深度を深くするか、浅くするか? すべてはその場面の演出として、ちゃんと設計されている。

その実力の深さをとことんまで思い知らされる映画だ。子供は無邪気に楽しめて、大人は深く考えさせられる。なにしろ、『映画を観に行こうよ』と提案し、お金を出すのは親だ。この親を感動させ『子供にも見せてやりたい』と感じさせ、しかも大人も1時間40分の間まったく退屈させず、それぞれの立ち位置で感情移入させる。子供という将を射るために、まず親という馬を射る戦略を完璧に遂行している。じつに素晴らしい。

(以下、多少のネタバレを含みます)