身長148㎝のヤママチミキに対して「圧倒的な存在感」とか「ステージで大きく見える」といった小さな巨人的表現を当てはめるのは、月並みでしかない。
しかし、月並みでしかないのはわかっていても、気づけば寿司詰めのヲタクの間隙を縫って緑髪を探してしまっていたり、その強烈な視線に心を射抜かれっぱなしなのは、やっぱりミキちゃんがボスキャラの如き強大な存在感を示しているからに違いない。『キングダム』で言うと矛を構えた時の王騎みたいなデカさ。
ミキちゃんは、GANG PARADEの前身であるPOPからグループを支えてきた。そんな彼女の特徴をまずあげるとするならば、「歌声のクセ」を挙げよう。音楽のテストなら高評価を得られないかもしれないけど、ギャンパレの楽曲にそのクセは欠かせない構成要素となっているし、なにより僕らはそのクセの虜になっている。
あと、ミキちゃんは顔で歌っているんだなと常々思う。彼女が歌っている時、その表情は千変万化だ。およそ人間が持ちうる感情の全てがその顔に浮かび上がってくきているかのようでもある。もちろん笑顔も可愛いんだけど、ロックなナンバーで見せる悪魔的なまでの激しさに遊び人たちは惹きつけられてやまない。
彼女はしばしばその立ち居振る舞いを「武士」と評される。メンバーの話を聞くに、それは彼女の決断力を持って言わしめているようだ。一方でオンの姿しか知らない僕たちからすると、1回のライブにかける気持ちの強さからしてミキちゃんを「武士」と呼ぶのかなと思う。彼女に限ったことではないけれど、ミキちゃんにとってライブは常に真剣勝負だからだ。
ただ裂帛の気合と共に一太刀を振るう剣豪ではなく、槍術を極めし加藤清正や本田忠勝のようだと僕は表現したい。いや、宝蔵院覚禅房胤栄とか飯篠盛近といっても良いかもしれない。まあ槍の名手の誰であるかはさておき、フロアの何処にいようとも聴衆を刺し貫く歌声、こちらの感情を薙ぎ払う表情。彼女自身が大槍となって、僕たちの息の根を止めに来ているんだ。
一方で舞台を降りた時のミキちゃんはまるで、小動物のようである。それは見た目通りだ。でも、油断していると噛みつかれる。僕なんかは、スタンプラリー的イベントの際に彼女の前でひざまずいて(つまり、すごく低い姿勢で)押印をお願いしたら「舐めてんのか!舐めてんのか!」と怒られてしまった。もちろん、笑顔だし本気で怒っているわけではないと思う。
ディズニーで満面の笑みを浮かべるミキちゃんも、特典会で遊び人を優しく見上げるミキちゃんも、ステージで舌ペロしながら中指を立てるミキちゃんも、全てひっくるめて彼女の愛されるべきパーソナリティ。
同じようにヤンチャな言葉遣いもミキちゃんの魅力ということだ。
というわけで、今回もまた遊び人のカメコさんたちがたくさんの写真を提供してくれました。改めてここにお礼の意を表します。ミキちゃんの魅力的な表情の数々をぜひご覧ください。これが全部同じ人間かと思うほど、多彩な姿を楽しめるはずです。
言葉だけではやっぱり、ミキちゃんの硬軟織りまぜた魅力は伝わらないから。
ギャンパレを見始めて1年そこそこの自分にとって、草創期からグループを支えたヤママチミキの偉大さを語り切ることは力不足でしかない。しかし、節目節目で彼女がその小さな双肩にギャンパレという看板を背負っていることは歴史が証明している。
僕らはその小さな体に精一杯の声援を送って応援をしているけれど、実は僕らが逆に応援されている。それがアイドルだと言えばそれまでだけど、とくにミキちゃんについてはそんな気がする。彼女の一挙手一投足が、その体躯から放たれる熱量が、僕たちを魅了し力を漲らせるのだ。だからこそ、彼女と逢った次の日にはまた逢いたくなる。体が、いや魂が栄養としてのヤママチミキを求めている。
ミキちゃんは口は悪いけど、心底優しくヲタク思いだってことは誰もがわかっている。愛情いっぱいに僕らを叱咤激励してくれているんだ。
でも、たまには僕らがガッシリとその小さくて大きな存在を支えられるかもしれない。ミキちゃんがいかに武士だとしても刀を休める瞬間は必要だし、そんな時にヲタクが何らかの鎧になってあげられるかもしれない。
僕らばっかり、元気になるのはちょっと申し訳ない気持ちもするし。
「ミキちゃん、助けにきたぞ!」
そう言ったら、彼女は人懐っこい笑顔でいつもの口の悪さを見せくれるだろうな、きっと。
最後に
全身全霊で歌うヤママチミキのエナジーを受け取れ!
写真提供
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