レンズ沼連載、沼ロケ2日目の第8回、なぜ今まで話さなかったのか?のオーバーインフの話と明るいレンズ問題と次回以降への願望などなど、ちょっと盛りだくさんです。
登場するのは、今回も3人の沼の住人。
- 松嶋初音(@hatsunex)レンズ沼師匠、きっとまた次回までにレンズ買ってるでしょう
- 荻窪圭(@ogikubokei)デジタル師匠、200mmレンズはどうする?
- いしたにまさき(@masakiishitani)沼ウォッチャー、カールツァイス私も使いたい
いしたにまさき:さて、無限遠無限遠言ってたわりには、フォローしてこなかったオーバーインフの話をいい加減しましょうというところです
松嶋初音:説明系は荻窪さんにまかせよう
荻窪圭:ややこしい説明をふられたーー。オーバーインフか。インフはインフィニティで無限遠のことです。まあ、レンズのフォーカスを無限遠に合わせればどんなに遠いものにもピントが合うっていうポイントですね。でも、レンズに描かれてる「無限遠マーク」に合わせても遠くにピントが合わないことがあるのですよ
荻:何が起きてるかというとですね、小学生のときに誰もがやった「虫眼鏡で日光を集めて黒い紙を焦がす」という遊びを思い出すのが一番簡単です……今でもやる? さすがにやらない?
初:やりましたー
荻:まあやってるとして、あれ、虫眼鏡を使って太陽光を「一点」に集めるよう、虫眼鏡と黒い紙の距離を手で調節するじゃないですか。で、紙が焦げるくらい光が一点に集まってる状態が「ピントが合ってる」ってことなんです。焦げる点なので「焦点」英語だと「フォーカス」日本オリジナルの俗語が「ピント」
い:あの虫眼鏡の高さを調整していたのが、カメラではピント合わせになるわけか
荻:で、「ピント合わせ」や「フォーカシング」って、複雑に組み合わされたレンズの一部を前後に動かして「レンズとイメージセンサー」の距離を調整する作業なんですよ
い:なかなかイメージしにくいかもしれないですけど(笑)
荻:マウントアダプターの一番の仕事って、異なったマウントを変換することよりも、レンズとイメージセンサーの距離を合わせることなのですね。フィルムカメラ時代の「ボディ側のマウントとフィルム面」の距離と、デジタル一眼の「マウントとイメージセンサー面」の距離って異なるのでマウントアダプターで合わせてやるわけです。 でも安いマウントアダプターってそこまで精密に作られてないので、微妙な厚みの違いでレンズとイメージセンサーの距離がずれちゃうんですね。そうすると、レンズ上の距離指標と、実際にフォーカスが合ったときの被写体との距離にズレが生じるんです
い:マウントにも沼があるって話ですね
荻:最悪なのが、レンズ上の距離指標を「∞」に合わせてももっと手前までしかフォーカスが合わない、というわたしがハマったケース
い:今回のロケでいうと04の回で話したように、あまりにもひどいと要するに風景写真撮れなくなってしまうわけですね(笑)。もちろん、だからといって使えないわけではないですが……
荻:ですです。近距離撮影専用レンズと思えば…… 背景はぼかすためにある! と思えば……
▼荻窪さんによる撮例
荻:でもこれは前回お伝えしたようにマウントアダプターをいじってなんとか解決しました。次にオーバーインフのケース。レンズに描かれてる「∞」より手前で無限遠にフォーカスが合っちゃうケースですね。そうすると、「∞」までフォーカスリングを回しちゃうと逆にピントが合わなくなるんです。これが「オーバーインフ」と呼ばれる現象。わたしのカールツアイスの58mmはマウントアダプターをいじったおかげで、無限遠にはフォーカスがくるようになりましたが、逆にオーバーインフ状態になっちゃいました
い:インフの向こう側だからオーバーインフ
荻:わたしのカールツァイスレンズの最初の状態は、無限遠に合わせても、10mくらいまでしかピントが合わない、つまりこれが無限遠が出ないという状態。逆にレンズの指標の5mとか10mの位置で無限遠にピントが合っちゃって、レンズの無限遠に合わせると逆に合わなくなる、これがオーバーインフというわけです
初:安いマウントアダプターは、高いマウントアダプターに比べてすこし余裕を持って作られているから、オーバーインフになりやすいんですよ
荻:まあ、無限遠にフォーカスが合わないよりはマシってことですよね。フォーカスリングを「8m」のとこに合わせると無限遠にフォーカスが合う、って覚えたので大丈夫です。
い:はい、誤差の部分ですよね。誤差はまずいか、おつりというか。まあ、要するにあまい(笑)。あれ?ということは、すでにもってた精度の高いマウントアダプターで荻窪さんのカールツァイスが合わなかったってことは、荻窪さんはまずはM42のジャンクマウント買っとけばよかったってこと?
初:そうですー
い:ぐわー
荻:でも、レンズの距離指標がアテにならないだけで、無限遠は撮れるのでまあいいかなと
初:というか、マウントアダプターは物によってはハレーションみたいなのが出てしまうことがあるので、マウント選びは大事なのですが、まず試してみたいというならば二千円くらいのものを買えばまず間違いはないと思います。あとはもう相性というかマッチングなので、試してみるしかないわけです
い:あーあー、えー、つーかー、フジヤカメラ→新宿→フジヤカメラにすればよかったんや
荻:あの時点でマウントアダプター問題の原因が分かってればそうしたかも。。。で、まあとにかく最終的には「1レンズ1アダプター」になると(笑)
初:今度から必ず帰ってこようフジヤカメラ
い:そういうことですね。定番ルートが確定しました
荻:フジヤカメラで〆るべし、ってことですね。どこをスタートしても最後は中野
初:ただいま中野
い:で、ですね。実は、まだ今まで黙ってた問題があるんですよ
初:あら
荻:最後の最後に(笑)
い:すでに一度話してますけど、ZUIKO50mmが使えすぎるんです
初:(笑)
い:あのですね。初回、以前に初音さんにカールツァイスの現役の50mm買わされたという話をしたでしょ
初:え?なんのこと?(笑)
荻:ああ、Touit
い:ここまでのインプレッションなんですが、、、
初:あ、はい
い:正直、あれよりもいいという、、、理由は簡単で、明るさは正義
初:わーーーー!!それはやばい
い:明るい現役レンズって、当たり前だけど、軽く10万コースだし
初:うんうん
い:20万も覚悟なわけです。でも、ZUIKOの明るいレンズなんて、私は今回家にありましたけど、買っても2万とかですよ
初:やすい!
い:それにマウントつけるだけで、最新のカールツァイスと戦える
荻:まあ、touit50mmはマクロレンズなのでF2.8止まりなんですよねえ
い:そうなんです。でね、マクロなんて、私は外で使うことなんてないんですよ。花とか撮らないし
初:あらま
い:で、あのカミソリマクロはアレとしても、もう少し使えるマクロで明るいレンズなら、ツァイスに勝てるんじゃないか!?という欲が出ました。あとミラーレスカメラで動画とか撮ってる人だと、AF使わないでマニュアルフォーカス使う場合もあるわけです。それなら、実は動画の人ほど、明るいオールドレンズっていう選択肢すらあるわけです。安く明るいレンズを手に入れるなら、オールドレンズってことですよ!
初:たしかに!
い:こんなはずじゃなかったのに、、、
初:よかったです、ズブズブ沼を突き進んでいるというお話でしたね(笑)
い:あのツァイス売ったら、いったい何本古いレンズ買えると思いますか!
初:あははは。でも意外と高いオールドもいたりするのでご注意くださいね(笑)
い:それな
初:いしたにさんが気になってたオールドレンズ全部高かった気がする(笑)
い:気のせいです
初:これ気になるんですよーって、、、え?どれどれ???10万越えてるぅぅうう!みたいな
荻:まあクオリティが高いレンズは、中古でも20万円コースですしね
初:気のせいに気をつけましょうね。その金額が大丈夫になったらすぐ隣にライカがいますからね
初:この連載も回を重ねていったらライカ沼になってたら笑えますね(笑)
い:笑えない
荻:富裕層になれたらライカ買います
い:まあ、私はとりあえずは次回はPEN-fマウントですね
初:いいですね!
い:ぐぬぬのPEN-fマウント。元々、PENで写真を覚えたこともあり、愛着があります
荻:PEN-fレンズでよいのがあるとよいですねえ
い:子供のときは買えなかったし
初:そういうのありますよね。大人になったから買えるとか今なら値段も落ち着いてて買えるとか
い:あるある、生きててよかったです
荻:あ、そういえば。子供の頃、親父が使ってたカメラ、中古のジャンクで買い直した(笑)
初:いいですね(笑)とりあえずじゃあまた次回も中野スタートですかね!
い:そうなりますね、まったく同じコースになりそうですが(笑)
荻:次回は明るいうちに写真撮りたい!
初:まずは準備を整えないとね。レンズなど揃えて写真撮りに行きたいですね!
い:遠征とかかなあ。富士山とか(笑)
初:おおーー、これまたどのレンズにしようー
い:まあ、御殿場とかすぐですよ
初:さわやか!
い:あ(笑)
荻:さわやか未体験!
い:ハンバーグの撮影もできますね(笑)
初:さーわーやーかー!
い:早起きして、さわやかコースか(笑)
初:いきたーい!
荻:行ってみたいさわやか
初:いきたいですね!
い:さわやかの穴場時間は把握しておりますが(笑)
初:さすが!
い:そうなると1日コースですね、、、
荻:ですね
初:たのしみ!!
荻:御殿場まで行けば200mm/f4も活躍しそう
い:それだ
初:たしかに
ということで、次回ロケはまたも中野スタートになるか、いきなり富士山・御殿場になるかわかりませんが、しばしお待ちください。
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