渋谷・百軒店。
知る人ぞ知る名店や、昔ながらの飲食店がひしめきあう大人の街に、一際異彩を放つお店があります。
それが「ヤングスナック-芹奈-」。
かつてTOKYO IDOL FESTIVALやIDOL SONICにも出演した実績を持つULTRAGIRLというアイドルグループに所属し、2017年1月に卒業した川崎芹奈が「ママ」を務めるスナックです。
なお、芹奈ママが現在もソロでアイドル活動を継続しているため、日本で唯一の「アイドルがママを務めるスナック」と言えるでしょう。
アイドルがいるカフェという形態はしばしば見受けられますが、一緒にお酒が飲めるなんてお店は聞いたことがありません。
これはYouTubeを見てる場合ではない。お店に伺うと同時に、芹奈ママにお話を聞いてきましたよ!
そのまま真っすぐ歩けば、O-EASTがあり多くのライブハウスにも近い場所に「ヤングスナック-芹奈-」はあります。
スナックというと重たい扉の向こうからカラオケが漏れ聞こえてくるイメージですが、階段を上がっても中からは楽しげな談笑が聞こえるのみ。
明るめの照明と落ち着いた店内、そしてカウンターにはスナックという空間にはやはり不釣り合いと感じざるを得ない女性が。
芹奈ママは21歳。2012年からアイドル活動をしていたとはいえ、ママ歴はまだ半年程度です。
所属する事務所のイベント後ということもあり、カウンターには芹奈ママのファンの方が。この後、すぐに満席となりました。
インタビューの前にまずは、自慢のお料理を。
つまみ系のほか、ガッツリしたご飯物もあります。注文が入ってから作られますよ。
芹奈ママの料理上手はお客さんの中では知られており、「晩御飯」という目的で来店される方もいるんだとか。
ちゃんとした定食にできるので、お酒の飲めない人にも嬉しい。
豚キムチとごはんセットを注文するとカウンターの奥から「ご飯、大盛りにしますか?」との声が。
ダイエット中なのも忘れ、思わず「はい!」と即答してしまいました。
芹奈ママのご親族が作られているお米は小粒ですが、ふっくらとしておりツヤツヤで甘い。
辛さ控えめで豚肉の味が際立つ豚キムチ、出汁の聞いた味噌汁とともに大満足の定食でした。
では、慌ただしく接客されている芹奈ママの間隙を縫って、気になることをいろいろとお聞きしました。
ースナックを好きになったキッカケはありますか?
夜の10時11時くらいに駅から家に帰るまでの途中、スナックが結構あってカラオケの音が結構聞こえてくるんんですよ。楽しそうな音が外に漏れているのを聞いて、夜なのにこんなハッピーでおじさんたちが楽しんでる場所があるのが素晴らしいなと思ったのがキッカケですね。
そういうところのスナックって、お客さんの年齢が50・60・70くらいだと思うんですけど、ここは比較的若くて30・40・50がベースになってますね。だから「ヤングスナック」なんですよ。私もヤングだけど、お客さんもヤング。
ー他の飲食店ではなく、どうしてスナックだったんでしょうね?
たとえばバーだとこういう雰囲気じゃなかったと思うんですよ。スナックってルールがないんです。だからこうでなくちゃいけないっていうのがなくて。自分の色にできる。接客のマニュアルがないのがスナックのいいところだと思っていて。
だけどみんなが寛げる空間を作っていくっていう。
ー最近まで未成年でしたよね?
スナックって今もあまり行ったことがなくて。
だからこそ良くて、たとえば和食のお店を出したいってなったらたくさん研究しないといけないじゃないですか。
スナックは最初からオリジナルでできる、自分の中でのイメージは出来上がってて、世界をちゃんと持っていればスナックはできるんです。面白いですよ。
ーもともとファンの方が来られることが多いんですか?
そういう方も多いんですけど、地元(渋谷)の方が来てくれたり、今忘年会シーズンなんで2次会で来てくださったり。
今「スナックナビ」というサイトに載ってて、それを見て来てくださる方も増えてきました。
私は昔からアイドルをやってて、ファンの皆さんとの対応は慣れているんですが、そうじゃない方への対応が難しかったですね。
ふらっと来た方に満足してもらえる接客をするってのが難しかったんですけど、最近はそれができるようになったので、楽しんでもらえるお店になってきたかなぁって。
ーそれは嬉しいことですね。
嬉しいですね。もともと、偉い人に「ターゲットを絞ってやらないと難しいよ」ってことを言われてたから、そうじゃなくていろんな人に楽しんでもらえてるのは自信になります。
ーそもそも開店まではどんな感じで進められたんですか?
最初から協力してくれる方がたくさんいたんですよ。
物件の紹介もしてもらって、私が直接物件を見たのは2,3件ですね。
最後にココを見た時は「絶対にここだな」って思いました。
オープンは2017年の7月7日、七夕です。
ーお店の内装にママの意見は入ってるんですか?
前のお店がスナックで、居抜きだったのでほとんどそのままなんです。この物件を見つけた時は、ひと目で「ヤングスナックぽい」って感じでした。色合いが明るくて。
最初は、カウンターのシートが赤と黄色ってのハッピーすぎるような気がして嫌で(笑)
スナックはダークな感じじゃんって(笑)
でも、今はこれも「ヤングスナック」っぽくていいかなって思ってます。
ー7月7日オープンだから、メニューの価格がゾロ目なんですか?(笑)
あー、それは関係ないんですよ(笑)
スナックって会計が明朗じゃないじゃないですか。私はまだその時20歳だったし、大人の方に私が値段を振り分けられないなって思ったから、値段をちゃんと決めました。
そのなかでも、何かサービスをしたいなって思って、お会計の端数を切り捨ててるんですよ。
そのためにゾロ目にして、足した時の一桁目をゼロにするってサービスをしたいっていう気持ちですね
あと、メインの料理はだいたい¥777で縁起がいいなっていう(笑)
消費税も込みです。
ーお料理の話が出たところで、オススメのメニューってありますか?
ハンバーグが一番得意で(ママは一般社団法人日本ハンバーグ協会から『ハンバーグアイドル1号』に認定されている)、誰が食べても美味しいって言ってもらえるんです。
ハンバーグは、毎月14日に出してます。
そのまえに試食をするんですけど、それが月の前半でタネが余ればお出ししてます。なので、実際は、月に2回ハンバーグが食べれますよ。
月替りなんですけど、14日にお出しするハンバーグは変わり種なんで、普通のほうが美味しいかもしれません(笑)
「ハンバーグアイドル」という肩書は、スナックをオープンしてから3ヶ月くらいていただいたので、仕事を広げるのにも役立ってます。
いろんな取材にも来ていただきましたし。
ハンバーグ以外だと、オープン前に料理人のおばあちゃんから教えてもらったのが、「きんぴらごぼう」でそれは食べてもらいたいですね。
紙幅に限りがありましたので、後編へ続きます!