アイドルに限らず、何を持ってブレイクしたかと言うのは難しいところです。

YouTubeの閲覧回数が数億回あるとか、楽曲が1000万枚売れたってことになれば迷うことなくブレイクしたと言えるんでしょうが、そんなことは稀有でしょう。

2005年大手芸能事務所のメンバーから選抜された9人の少女によって結成された「9nine」は、12年の歴史の中で紆余曲折を経てアイドル界の先頭を走るグループです。

すでに21枚のシングルとアルバム6枚をリリースし、オリコン最高位は4位。2014年には単独で日本武道館ライブを成功させています。

それでも、万人が知るところではないというのがこのご時世の悩ましいところでしょうか。

全員が実力派

元々はその名の通り9人からスタートした9nineですが、長い歴史の中でメンバー構成は様変わりし、2010年には5人体制となりました。

この5人の姿を目にする人は多かったかもしれません。特に朝の情報番組やドラマで存在感を示す川島海荷は、一般層における9nineの認知度を一気に高めたことでしょう。

しかし、その川島海荷も2016年に脱退。現在残った4人は、オリジナルメンバーの佐武宇綺、西脇彩華、そして2010年に加入した吉井香奈恵、村田寛奈となっています。

そして現在はライブパフォーマンスを大切にし、観客を楽しませること第一に考えるガールズユニットとして確固たる地位を築いているのです。

「ちゃぁぽん」の愛称で知られる西脇彩華は、広島アクターズスクール出身。

当時日本中で流されていた「おさかな天国」のコーラスという、ある種華々しいデビューを飾ったのちジュニアモデルとして活躍。しかし、それでも歌とダンスを仕事にしたいという夢を持ち続けた結果、9nineとしてデビューしました。なお、姉がPerfumeの「あ~ちゃん」こと西脇綾香であることは、驚きをもって受け止められることが多いようです。

もう1人のオリジナル・メンバーである佐武宇綺は、アイドルとしてだけでなく、元々はミスマガジンの特別賞を受賞するなどグラビアで活躍。また、女優や声優としても活動の場を広げています。

過去グレており、ランドセルのハーネスを引きちぎってショルダーバッグにしていた、などというエピソードをネット動画で披露するなど独特の感性の持ち主。その感性はグループ内でも重宝されており、彼女の発想を振り付けなどに具現化することもあるとか。

吉井香奈恵は、「ORC200 第13回ヴォーカルクイーンコンテスト」グランプリを受賞した実力派で、ソロ曲も担当しています。

明るいキャラクターと大阪弁によって、バラエティにおいても存在感を放っています。

グループ最年少の村田寛奈もまた若くしてヴォーカリストとして頭角を現していた人物の1人。

妹系のヴィジュアルですが、それに騙されることなかれ。ダンススキルの高さと卓越した歌唱力で9nineの骨組みをしっかりと支えているのです。

ちゃあぽん曰く「吉井香奈恵、村田寛奈が入ったことでパフォーマンス力があがった」とのこと。

紆余曲折あったメンバー編成ですが結果として落ち着くところに落ち着いたと言えそうです。

圧倒的なライブパフォーマンス

彼女たちの特徴は、あくまでメンバーたちがライブの演出などパフォーマンスを相談して作り上げていくということ。

そこには表現者としてプライドを垣間見ることができます。

最新の両A面シングル「SunSunSunrise/ゆるとぴあ」は、ハイパフォーマンスユニットとしての9nineの地位を確固たるものとする1枚です。

「SunSunSunrise」はバグルスやイエスのヴォーカリストであったトレヴァー・ホーンによるプロデュース。

そして「ゆるとぴあ」は、サウンドクリエイターであるDE DE MOUSEによるプロデュースでした。

2曲とも強い個性を持っているだけに、表現者としての彼女たちのスキルを発露できる楽曲になっているとも言えます。

ぜひお聞き下さい。

ダンス、歌唱、そしてセルフプロデュース。どれをとっても疑うべくもない実力派。

栄枯盛衰どころか全く日の目も浴びずにひっそりと終幕するアイドルが多い中、12年もの間グループを存続させてきた自信と経験が9nineを、アイドル界を牽引する存在足らしめているんだと思います。

私は声を大にして言いたい、何故、9nineが万人が知るところとならないのか!

彼女たちの力強いパフォーマンス、そして熱量は必ずや動画からでも伝わるはずです。

プレイリスト

9nine – LINE MUSIC

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