前回、『ブレードランナー2049』をご紹介したが、本作が公開される1カ月ほど前に、ドゥニ・ヴィルヌーブの依頼で作られた3本の短編がYou Tubeで公開さていることをご存じだろうか?

もちろん、これらを見ていなくても『ブレードランナー2049』を楽しめることは確かだが、見てから映画館に行けば、より深く『ブレードランナー』世界に没頭できること間違いなしだ。

それぞれ、15分、8分、7分の短編だから、夜のちょっとした時間でも楽しめる。

1作目、渡辺信一郎監督によるアニメーション『ブレードランナー2022 BLACK OUT』が、こちら。

(2作目、3作目は以下にリンクがあります)


個人的には、ここにアニメが入ってることが興味深い。ブレードランナー世界を広げた『AKIRA』や『攻殻機動隊』に対するリスペクトなのだろうか?

『ブレードランナー』の世界から3年後。4年の寿命を持つNEXUS 6が死に絶えた後。タイレル社が作ったNEXUS 8が集まって反乱を起し、高々度核爆発による電磁波(EMP)で、自分たちの『人ではない』という記録を消そうとした出来事が描かれる。

続く『ブレードランナー2036 NEXUS DAWN』は、リドリー・スコット監督の息子であるルーク・スコットが監督を務め『2049』にも登場するニアンダー・ウォレス(ジャレッド・レト)が登場。直接映画に繋がる配役での8分間の短編。

『ブレードランナー』から17年後、『2022』からは14年後の世界。その間に『ブラックアウト』の影響による大飢饉があり、それを救ったウォレスが、その成功を楯にNEXUSシリーズの続編として、NEXUS 9を作る許可を求めるシーンが描かれる。

そして、最後の『ブレードランナー2048 NOWHERE TO RUN』は、『ブレードランナー』の29年後、ブラックアウトがあった『2022』の26年後、NEXUS 9が作りはじめられる『2036』の12年後。

どこまでいっても恐れられ、差別され続けるレプリカントの様子として『2049』にも登場するサッパー・モートン(デイヴ・バウティスタ)が、登場する。『2049』本編のわずか1年前の物語だ。

つまりは、この時に落とした書類から得られた情報を元に、『2049』でKがサッパーの元を訪れるということになるのだろう。『スターウォーズ・エピソード4』の前日譚として『ローグワン』でデススターの地図が奪取されるというのと同じような繋がりだ。

『ブレードランナー2049』の前に見ても、後に見ても興味深い3本の短編。ぜひご覧いただきたい。