このザラッザラのマテリアル。たまりませんなーもー。

街に出るときには秋冬モノのアウターを羽織っていきたいシーズンがやってきました。釧路なんて今季初の雪が観測されたくらいですよ。あったけー時代よ来シーズンまでさようなら。悲しいけど、これ、季節なのよね。

気温ダウンにともなって、あったけー料理が欲しいと思うココロもムクムクと。おでんとかさ。豚バラと白菜のミルフィーユ鍋もいいよね。あー、湯豆腐の美味しさって大人になってはじめてわかりましたよアイツの価値は天井知らずだよね。

と、そんなとき。ちゃぶ台の上に置くコンロに目を向けてみましょう。

カセットガスのコンロを使うおうちが大半だとは思うのですが、どうせだったらカッコいいコンロがあったらいいと思いませんか? こんな、「KOGA Electric cooktop(仮)」のように!

抗火石の特性を活かした作り

ニクロム線がむき出しになった昔ながらの電気コンロ。

しかし、そのエクステリアマテリアルは、たくましさを感じる、石! 新島で産出される抗火石をハウジングとして用いています。いかにも重そうと思ったら、おや、片手でヒョイと持てるくらい。しかも熱している状態でも、そこまで熱くありません。

「KOGA Electric cooktop(仮)」を手掛けた法政大学の守屋さんいわく、抗火石は軽く、断熱性・耐火性に優れる性質をもっているそうです。昨年、ワークショップ参加のために新島に訪れた守屋さんはこの抗火石の存在と、抗火石を用いる職人が少なくなってきている現実を知りました。もともとマーケティングやシステムデザインを先行していましたが、抗火石を使ってなにか作れないかと「KOGA Electric cooktop(仮)」の開発にチャレンジしたそうです。

「プロダクトデザイナーとして名乗るのではなく、自分のことをは売る人だと言いたいんです」

農業の分野では現在、六次産業に注目が集まっています。農作物を作るだけではなく、加工からパッケージ、販売まで一気通貫することで、自らの制作物に付加価値をつけていく。守屋さんが目指しているモノ作りも同じメンタルがあるみたい。いいものを作り、お客さんが手にするところまで見届ける。その思想、かっこいい!

ハウジングが熱くなりにくいから、横を触っても大丈夫。底面も問題なし。実際に製品化するとなったら断熱材やインシュレーターを組み込んでさらに安全性を高めるとのことですが、素材の利点を活かしたプロトタイプとみましたよ。

プロトタイプ展は10月22日まで神谷町ORANGE BRAINERYで開催

「KOGA Electric cooktop(仮)」は現在、東京・神谷町にあるORANGE BRAINERYのプロトタイプ展に展示されています。このイベント、面白いですよ!

名前から想像できるようにプロトタイプ(試作品)の展示会なのですが、参加者はプロダクトデザイナーだけではなく建築家、シェフ、グラフィックデザイナーとさまざま!

デザイナー目線とユーザー目線、両方のこんなのあったらいいなが揃っている場なんですよ。これは吹きガラスのなかに時計の機構部を組み込み、光を当てることで時間と針の影をデスクに落とす「Glass Clock」。360度、どの方向からも見ることができる置き時計です。

法政大学デザイン工学部システムデザイン学科のチームが作ったのは、LEDを組み込んで飛ばせるライティングフリスビー。加速度センサーが飛ばしたときの回転速度と軸の触れを検知して、光の色が変わるように作られています。これ! 夕方の薄暗くなってきたときに使ってみたい!

新しいアイディアの具現化は、見ているだけでも楽しいもの。それも、多くの人が「ほしいね」と言ってくれそうな作品ばかり揃っていてドキドキがとまりません。

東京近郊在住でお時間あるかた! これはチェックすべき展示会ですよ!

参加アーティストの「2020年以降、未来のものづくりはどのようなものになると思いますか?」の答えを読むだけでも、いろんなヒントになるはずです。