このアイドルグループは、ある意味現代のアイドル事情を象徴しているかもしれません。
見た目は原宿にいる読者モデルのよう、しかし「まねきケチャ」が持つ設定はカオスの一言。設定のモリモリ感マシマシ感は、スタイルのぶつかり合いであるアイドル戦国時代におけるニュータイプと言えそうです。
公式サイトには以下のように書かれています。
この世界に『福』を招くために、人間界に降り立った見習い天使まねきケチャ。立派な天使になるために、歌と踊りと笑顔で世界中の人を幸せにするのが彼女たちに与えられた使命だとか…さてさて、四人の珍道中はどうなることやら?
「見習い天使」というギミックだけでも充分なキャラクターだと思いますが、彼女たちはそれだけではありません。
それぞれには「属性」があり、「まねき獣」という設定もあるのです。
たとえば、リーダーの中川美優だと属性は闇、まねき獣は羊。・・・見習い天使はどこいってもうたんや。
言われてみれば闇っぽいかもしれないけど、羊とは何かというのはなかなか見ている分にはわかりにくいものです。
では、衣装はというと、取り立てて特徴的ということもないから不思議・・・
なのに、「まねきケチャ」がブレイク必至と言われるのは何故なのか!
いや、そんなことを抜きにしてもアイドルとしてハイレベルだと思うのは何故なのか!
「まねきケチャ」は全員がビジュアルが良い
かつてはアイドルといえば「国民を代表する美少女」という認識でしたが、今は必ずしもそうではありません。
それは価値観の多様化もありますが、そもそもアイドルという存在に投影する要素が変容してきたということもあるでしょう。何に対して応援するのか、というのが様々になってきたのです。
とはいえ、最もわかりやすく、またカジュアルに人を惹き付ける要素はビジュアルではないでしょうか。
そういった点で「まねきケチャ」は極めてわかりやすいアイドルです。アイドルが求められがちな「萌え」とは一風違う見た目なのです。
中川美優は、ファッション誌でモデルを勤めていたほど。
金髪が目を引く藤川千愛は月9で女優デビューを果たし、松下玲緒菜は初グラビアで表紙&巻頭を飾った逸材。
正統派美少女と称される宮内凛も『週刊プレイボーイ』にてグラビアデビューを果たしています。
メンバー4人全員が、ここまでわかりやすくビジュアルが良いグループというのは珍しいですね。
「まねきケチャ」は楽曲が良い
2015年に結成された「まねきケチャ」の楽曲は、けっして多くはありません。
しかし、アイドルっぽいポップな曲からしっとりと歌い上げる曲と幅広くカバーされています。
「まねきケチャ」の音楽性を高く評価する人も多いのですが、それを支えているのが藤川千愛のずば抜けた歌唱力。
演歌歌手の祖父を持ち、3歳の頃から歌手を志したという彼女の歌はまさに本格派と言えるレベルです。
YouTubeではカバーソングを披露するチャンネルも開設しています。
彼女がリードボーカルを取ることで楽曲のレベルは高まります。
そしてアイドル楽曲大賞2016を受賞し、数々のタイアップを獲得した「きみわずらい」は、もはやアイドル界を代表する楽曲となっています。
またメジャーデビューシングルである「どうでもいいや」は、詩・曲・歌唱が三位一体となり、過去最高傑作と言える仕上がりに!
アイドルにありがちな「萌え」は無く、一般層にもリーチできる一曲になっているので是非とも聞いていただきたいです。
群雄割拠のアイドル戦国時代において、アイドル要素を盛りに盛り込んだような設定を持つ「まねきケチャ」。
しかし、それ以上にビジュアルとパフォーマンスという、エンターテイメントの根幹を支える部分において高いレベルを発揮し、時にアイドルであることを忘れさせることこそがブレイク必至と言われる所以なのかもしれません。
プレイリスト
▼まねきケチャ 10/9大阪城野音フリー(@maneki_kecak)さん | Twitter