小学生から中学生ぐらいにかけて、ご多分にもれず私もそれなりのプラモ小僧でした。まあ、ざっくり30年前です。

そこから、プラモの世界はどんどん進化し続けていることは、知識としては知っていました。でも、なんとなくずっと放置してきたわけです。

いや、プラモデルが子供の遊びということを言いたいわけではないんです。プラモデルの情報はそこそこ見ていましたし、周囲に作っている人もいました。単純に大人の貴重な時間を使うわけですから、なにかのきっかけが欲しかったというだけなんだと思います。

そして、ここのところ、定期的に話題になっているプラモデルのブログがあります。ブログ形式で話題になるというのも、最近では少しめずらしくなってきましたし、ついには「プラモデル界のフォトヨドバシ」という言葉まで登場しました(フォトヨドバシのすごさについてもいつか記事にしないといけない)。

それが「超音速備忘録」というブログです。

カメラとプラモデルと登山が織りなすからぱたの日常をなるべく巨大な写真で綴ります。

上の紹介にある通り、記事に大半を構成するのはいわゆる物理で殴る系の圧倒的な写真です。各記事、もちろん毎回枚数は違いますが、ざっくり1記事に20枚程度の写真があることも少なくありません。

最初にこのプラモデルブログの存在を知ったのは、以下の記事でした。

下乳があり、ヘソがあり、そこをブリッジする衣装と肌の隙間の向こうに光があります。尊くないですか……これを貴方の手で組むのですよ。

これは面白い。記事もすごいし、写真もすごいし、バンダイもすごい。三方よしです(使い方はまちがってます)。

こんなもの、過去記事をさかのぼっていきます。

原型師が作った原型を3DでCADデータに置き換えてから分割しているのでメチャクチャ複雑なパーツの分割線が実現しています。10年前ならまず不可能でした。

そして、その間に新作も容赦なく投下されていきます(ホントに容赦がないのはバンダイの方)。

自分ならどんなキャラクターを、どんなふうに分割してみせようか(=プラモデルにしてやろうか)というのをウンウン唸りながら考えてしまうところです。

なにより低価格なのが脅威です。戦争は数だよ兄貴。

女の子のプラモデルすごい!バンダイすごい!というのは、メインの話ではありますが、同時に枝葉の話でもあります。女の子は釣りです、でもメインコンテンツです。というか分割可能なものではないんですが、釣りではないんだけど、釣りでもあるんです。

ということで、ちゃんとこういう警鐘記事も書いてくれるわけです。

そして、そろそろこのシリーズも落ち着いたかなと思った頃、さらに衝撃の記事が投下されました。

ついにやったんです。女の子がプラモデルである”意味”に人類はとうとう到達したのです。

この記事はすごかった。

この記事を読むにいたっては、もうわれわれ読者はプラモデル記事を読む側から、プラモデルを組む側にクラスチェンジしなければならないとハートにどすんと突き付けてくるわけです。

もちろん、この記事も読みました。

この世のどこかで、誰かが、極めて真面目に、フミナ先輩のいろんなところを、プラスチックのパーツに還元している。
私たちはそういう世界を生きている。

なぜ、かくもこのプラモデルのレビューだけをしている文面が文学的なのか。それはこれらの記事は、要するにわれわれの脳に手を変え品を変え、たったひとつのことだけを問いかけ続けているからです。

「1記事で伝えられることは1つしかない」とはブログ道でよく言われることですが、そもそも1つのブログで伝えられることもたった1つしかないのかもしれません。

つまり!

  • このプラモデルは組まないとわからない
  • このプラモデルは組んでみてはじめてわかることがある

いや、上の文だって同じことを、すでにうっかり(少し文学的に)2回も語ってしまっているわけです。

だから、もうわれわれはもう読者という立場からプラモデルを組むという存在にならないといけないのです。

とうさん・かあさん、おれあっちに行きたいんだ。

ということで、以下、ホシノ・フミナ2タイプとも注文しました。どうせならと工具も新調ということで注文しました。

さて、ここから2体組んでみます。

ちゃんとプラモ作るのって、20年ぶり?30年ぶり?、もういつが最後に組んだのか思い出せないぐらいです。

でも、現代プラモデルの最高の粋ってものを、ぜひとも見せつけられたいのです。

次回予告「届いて、まずびっくりした」。