1mmの違いで打鍵感は全然違う

Happy Hacking Keyboardを使うなら、必需品ともいえるのが、バード電子のパームレストだ。

 

HHKBはキーの上面が高い。だから、手のひら(パーム)を乗せる台があった方がいいのだ。手のひらを乗せるだけならなんでもいいのだが、目の前にあるものだし、HHKBという高級なキーボードと組み合わせるのだし、上質なものの方がいい。


高さは12〜13mmぐらいが収まりがいいが、このあたり試してみると1mm単位で違いを感じる。バード電子のパームレストには、裏側に2種類のクッション材が入っているので、貼り替えて自分好みの高さに調整するといいだろう。

なお、パームレストは天然木なので、当然のことながら、湿度、気温によって若干ひずむ。このクッション材を付けても若干カタカタすることがある(逆に机の方もフラットだとは限らない)。

筆者はいつも、クッション材を貼る時に、間に丸く切った両面テープを貼って微調整する。樹脂製品や金属製ではなく、天然木を使ってるパームレストなのだから、使う側にもそのぐらいの配慮が求められるのは当然だと思う。

メイプル『調』とはどういうことか?

ということで、バード電子ではいろいろな素材、色のパームレストを販売中だ。マニアになると、何種類か揃えて気分によって使い分けるのが一般的になっている。

今回は、そのパームレストにどんな木材が使われているかについて、バード電子の斉藤さんに話を聞いてきた。

PFU DIRECTのサイトを見ると色は白っぽい『メイプル調』と、『ウォールナット調』の2種類になっている。その他、バード電子のサイトでは、時にローズウッドの表材を貼り込んだものや、レザーを貼り込んだもの、またウォールナット調でも、独特の木目を持つものが販売されている。

メイプル『調』とはどういうことか?

『メイプル調』『ウォールナット調』の『調』とは何なのか?

「バード電子のウッドパームレストの素材は天然の木材なの。『メイプル』や『ウォールナット』にも細かな種類があるし、似た種類の木もいろいろある。なるべく色調や品質を揃えようとしているけれど、一定の価格で、安定した供給をするためには、各種の木材を選んで使う必要がある。だから、『メイプル調』『ウォールナット調』と呼んでいるわけ」

「ただ、普通にメイプル、ウォールナットを使っている時もある。そういう時は、実はバード電子のサイトでは『メイプル』『ウォールナット』と書いて販売している。PFU DIRECTとか他社のサイトでは、いちいちサイトを変えてもらうのも大変だから、そのまま『メイプル調』『ウォールナット調』だけどね」

メイプルとは日本語で言えばカエデの木。葉っぱがカナダの国旗になっている木だ。白くて美しい。ウォールナットは、濃い色、いわゆる焦げ茶色、バーントアンバー的な色の木材。日本語でいえば、くるみの木だ。

いずれも、切ってキレイに削って、磨いたあと、レーザーで刻印を施してある。ウォールナット調の場合はクリアラッカーを塗って仕上げてある。ウォールナットはオスモオイルを塗る。オスモオイルとは植物性のオイルで、赤ちゃんの肌に触れても大丈夫な天然素材だ。

『気分はギタリスト』な、ローズウッド

最新の製品にはローズウッドが使われてる。こちらは無垢材ではなく、裏にホワイトオークを張り合わせてある。貼り合わせることで反りにくくもなっている。

ローズウッドは彫刻や高級家具などにも使われる非常に高価な素材だ。輸入も限られている非常に希少な木材だ。

「僕は音楽が好きだからね。このローズウッドのパームレストはギターのネックをイメージして作ったんだ。ギターには、このようにローズウッドを貼り合わせたものがあるから」

たしかに、そう言われてみればギターのネックに見えてきた。この他にも、レザーを貼ったタイプなどもある。

変わり者は、時間をかけて『バール』を探せ

また、バード電子のサイトでは、時折、バールという名称で変わった木目のパームレストが売られることもある。

「実はパームレストは非常にロスの多い製品で。木目が汚く見えるものや、納品されてから乾燥することで反りが出た製品などを2割以上も検品で破棄してる。天然の素材だから仕方がないことなんだけれど。でも、逆に、僕が見て、『これは面白いな』と思う木目のものは、アウトレットとして安くして売ったり、逆にすごく個性的な木目のものは1点ずつ写真を撮ってこちらは少し値段を上げてバード電子のサイトで売ったりしている」

なるほど、私も個性的な木目のものの方が気になる。ちなみに、バールの製品は、すぐに売り切れてしまうので、バード電子のサイトをこまめにチェックしていないと買うことができない。ローズウッドの瘤木目のものとかは、すごくカッコよかったのだが、発見するのが遅くて買うことができなかった。

その他にも、セパレートタイプや、レザーを貼ったものなどもある。こうした特殊な商品を集めるのも、またマニアの楽しみである。

自分にフィットするパームレストを探すのが楽しみ

過去には、肉厚なアクリルをバフがけして作ったものもあるという。この厚さと透明度はキャスト材だと思われる。すごい。また、アルミ削り出しのパームレストを2万円で売ったりしたこともあるという。これからも、意欲的に新製品を開発していくというから、楽しみだ。

あなたも、自分が気に入るパームレストを探してみてはいかがだろうか?

バード電子ではいろいろな素材、色のパームレストを販売中だ。