ども、通りすがりの荻窪圭です。突然ですが浴衣を着た女子大生と一緒に横浜港をクルージングしながらフレンチをいただくというランチクルージングを楽しんで来たのでその楽しさをお裾分けいたします。

「ゆかた選び」からはじまるクルーズ

これだとなんだよそれさっさと氏ね案件だと思われるのでもうちょっと正確にいいますと「横浜ゆかたDEマリーンルージュ」という漢字とひらがなとローマ文字とカタカナがまじった、浴衣を着て船上でごはんを食べて非日常を楽しもうという企画を体験してきたのであります。船上でランチやディナーは定期的に行われておりますが、それに夏らしく「浴衣」を絡めたのがキモです。

先日、古い仕事仲間から知人がこれこれこういう企画を行うのだけど、体験乗船できる招待枠があるからいつも撮影してるモデルさんとか連れてどう? という打診がありまして、せっかくだから誘ってみるかと、ダメモトで最近毎月のようにモデルをしてくれてる大学生のさきちゃんにメッセージ送ってみたところ、ぜひ行きたいとめちゃ乗り気な即答があり、わたしの方も雨が続くとキャベツばかり囓ってるくらいにはヒマなので、これを僥倖と考えねばなるまいと重い腰を上げた次第なのです。

彼女に迷いなき即答の意を尋ねてみると「浴衣」。

この企画「浴衣を着てきて船に乗ってフレンチを食べましょう」ではなく「着の身着のままやってくればその場で好きな浴衣を選んでプロが着付けをしてくれて下駄も用意してくれて、クルージングを楽しんだらその浴衣を着たまま帰宅してOk」という「浴衣付クルーズ」なのですよ。

なので、当日は浴衣選びから始まるのです。場所は大桟橋の近く、開港広場前にある「横浜きものステーション」。特設会場が用意されます。

「横浜きものステーション」で浴衣を選んでいるの図。この日は「体験乗船期間」でしたが、7月7日からの本番ではもっと広い場所が用意されるそうです
下駄も選べます

小物類もすべて揃っているので、手ぶらで来てOk。

注意すべきは乗船の2時間前に来てねというくらい。着付けにそんなに時間はかかりませんが、混雑時のことを考えると早い方がよいわけです。船は待っていてくれませんから。

いざ「マリーンルージュ」へ

この日はあいにくの小雨交じりでしたので、傘を差し、横浜きものステションから山下公園は氷川丸の少し奥にある桟橋へ。
船名はマリーンルージュ。

正午発、16時発、19時発の3便用意されておりますがスケジュールの都合上今回は正午発のランチクルーズとなった次第。

乗船時刻ではないのでロープは張られておりますが、ここから乗船。

乗船時刻になると、チケットを見せて乗船いたします。

こちらがチケット

案内されるまま乗船し、階段を上り、右手にあるレストランへ。船内には4つの部屋があり、通されたのはメインダイニングの「セレッソ」。

マリーンルージュのメインダイニング「セレッソ」

そして着席。ちゃんと、女性が進行方向を向くように座らせてくれます。2階なので眺めもよし。

窓際の席に。後ろにバーカウンターも見えます。ドリンク料金は別。その場でご注文を。
まずは自撮り

自撮りしている間にマリーンルージュはゆっくり桟橋を出て、大きく方向転換をし、左舷に氷川丸やホテルニューグランドがあらわれます。

窓越しに氷川丸。昭和5年(1930年)に建造された貨客船にして重要文化財。後ろにチラリと見えるホテルニューグランドは昭和2年(1927年)

開港気分で港湾風景をめでていましたら目の前にスープがやってきまして、そう、フレンチのハーフコースがつくのだった、というか、ランチクルーズなのだから当たり前ですね。

いただきます。

ランチはハーフコース。コンソメスープから。パンはおかわり自由。

船は我々が食事している間にみなとみらい21の桟橋、赤レンガ倉庫の桟橋へも立ち寄り、そこからのお客様をのせます。

そしてお肉をいただき、デザートが来た頃にベイブリッジをくぐります。

マリーンルージュと描かれたチョコレートのプレート付デザートで〆

突然ですが、こういうクルージングで欠かせないのがGPSロガー機能付地図アプリ。

普通の人は海に出ちゃうと、今どこにいてどっち方向に何があるのかわかりませんが、GPSログとりながらと、どこからどうやってきたのか一目瞭然なわけです。

iOS用地図アプリ「FieldAccess2」でログ取得中

食後はデッキでまったりと

デザートと珈琲が終わり船外を眺めてぼわーっとしながらゆるゆるとした時間を過ごしていると、観光船ならではのゆったりした加速感と目の前の浴衣女子が相乗して「このまま港へ戻るまでここで待ったり揺られて過ごすのが一番だよな」と思うわけでありますが、それができないのがサガ。

「あ、のんびりしてたらクルージングが終わってしまう。デッキに出て風を浴びて港湾風景を楽しまねば」となってしまったのであります。そそくさと後部にあるオープンデッキに向かうべくメインダイニングを出て船尾に向かって廊下を歩いて行くと、彼女もとことことついてきてくれまして。

2階の船尾にオープンデッキあり。ここなら喫煙も可。

小雨交じりの天候だったのですっきりとはしませんが、梅雨時ど真ん中なので致し方あるまいということで。

港から遠ざかっていきます。

さらに階段で上に上るとスカイデッキがあります。天気良ければ最高の眺めかと思いますが、風が強くて妖気アンテナが立つ始末。

スカイデッキはけっこう広いので港湾風景を楽しみながら散歩できます

彼女がちょっと無理、と下りてきたので、入れ替わりにわたしがのぼってみたら、確かに風が強くてつらかった。

スカイデッキからオープンデッキを見下ろすの図

船に乗ったらデッキを歩き回るだけで楽しいって人には(わたしですが)、曇っているくらいどうということはなく、いやむしろよく晴れて港湾の様子が鮮やかに浮かび上がったら、浴衣姿女子大生ほっといて港を見ながら横浜開港時の様子を思い浮かべてにやにやしてそうでヤバいのです。

ベイブリッジごしにみなとみらい

クルージングは約90分。

特にまったりゆったりしていたつもりではないのですがいつの間にか氷川丸の姿が徐々に大きくなり、もうクルージングは終わろうとしているのだと気づき、桟橋につく直前で、ふたりであわててレストランに戻った次第。

下船の時間であります。

下船前の鏡チェックをこっそり

 90分はあっという間、これがあっという間でなければ何があっという間なのかというくらいにあっという間でありましたが、このクルージング予想以上にハマるポイントがたくさん。

 ひとつめは「浴衣」。
 浴衣と帯と下駄、この3つがワンセットで付いてくるわけで、浴衣を着慣れない・持ってない人にとっては「その場で好きな浴衣を選んで着付けまでしてもらって、来たまま家に帰れる」というわけですよ。着慣れてる人にとっても「普段着のままさっとやってきて帰りは浴衣」なので、「家から着てくる必要が無い」というお得感ありすぎるわけです。

 浴衣・帯・下駄と全部セット。髪飾りなどアクセサリの一部は借り物なので返却しなければなりませんが、基本的にはそのまま帰宅してOk。

上から下まで全部取りそろえてくれます。これは素晴らしい。

カップルで来たら浴衣洋上デートできますし、そのあと浴衣を脱ぐようなシチュエーションになっても、それまで着ていた服は手元に持ってるわけでそれに着替えちゃえば問題なしといういろいろとアレなわけです。

昨年は女子会での利用が多かったですね、と「横浜きものステーション」の人。

ふたつめは食事です。海を見ながら船の上でフレンチなディナーなりランチなりを浴衣姿で食べるという非日常感がたまらないわけです。浮き世から離れて洋上でゆっくりと何か飲みながらたゆたうですよ。その時間が贅沢です。

みっつめは船。横浜港をぐるっと、3つの大きな橋をくぐって航行してくれますから、たっぷり楽しめます。何しろ幕末にペリーが来日して日米修好通商条約で開港させた5つの港のうちのひとつですから。幕末から明治の歴史が好きな人には、その頃と同じ場所から横浜を和服姿で眺められるという意味でもたまらんです。

よっつめは港湾風景。

ガントリークレーン好きとか貨物船好きにもたまりません。

ただし、そういうマニアックな人向けのクルージングではありませんから要注意です。浴衣姿の彼女にガントリークレーンのカッコ良さを語り続けてたら、その後よからぬ展開にならぬとも限りません。そういうのを語りたいときは、ロマンチックさをそぎ落としたクルージングにすべきでしょう。

ちなみに、せっかくなのでわたしも浴衣着ました。ええ、着ましたとも。浴衣着てカメラバッグ持って30歳年下の女子と浴衣着てクルージングしてきた証拠に自撮りもしてきましたよ。

iPhone + Microsoft Selfieで自撮りの図

もちろん浴衣+下駄のまま、みなとみらい線・JR・小田急線と乗り継いで帰宅しましたそれはそれで楽しいもんです。

料金はランチとディナーで違いますし、男女でも違いますが、「浴衣一式+着付け+食事+クルージング」全部込みと思えばかなりお得感あります。
彼女なりパートナーなりそういう関係になりたいと欲している相手なりよからぬ展開を期待する相手なりを誘うには鉄板かと。

お勧めは多少値は張りますが、19時出航のコース。日没直後のマジックアワー的な横浜たそがれや、ブルーライトヨコハマな夜景を楽しめます。

詳細は横浜クルージングのサイトからぜひ。「横浜ゆかたDEマリーンルージュ」にはランチ編・夕涼み編・ディナー編が用意されておりますので予定に合わせてどうぞ。

横浜クルージング

 よい夏のひとときを。