とうとうその日がきてしまったー。カシオがコンパクトデジカメから撤退である。決算発表会で公式に表明されたので公式である。
ってことは、カシオだけが出しているユニークなアレやコレは今買わないとまずいってことじゃないか。
そんなわけで、なぜカシオの撤退が注目されているのか、今のうちに買っておくべきカメラはどれか。そんな話。
最近カメラをはじめた人は「カメラメーカーでもAV家電メーカーでもないのになぜそんなに話題に?」と思ったかもしれないが、なにしろ、世界初めての「液晶モニタ搭載デジカメ」を発売した会社なのだ。
しかも、他社が大きくてモニタも未搭載(撮った写真はパソコンで確認してね)なカメラを10万円以上で出していたときに、モニタ付で6万円台である。
気分的には「世界初のコンデジ」といっていいくらい。
宣伝はされなかったけど、口コミでかなり売れた。
だがしかし、その後カメラメーカーやAV家電メーカーが本格参入して、コンサバで四角いコンデジが主流になり、カシオも新しいアイデアを投入して頑張ったものの、2008年にアレが出ちゃう。
iPhone 3Gである。iPhone(やその他のスマートフォン)の登場と普及で何が起きたか。
CIPAが発表しているコンパクトデジカメ(レンズ一体型デジタルカメラ)出荷数量のデータからグラフを起こしてみると一目瞭然。2008〜2010年をピークに急激に落ち込んでるのだ。
見事にスマートフォンの普及と連動している。
しかもカシオがQV-10で打ち出したコンセプトがこれである。
2015年にQV-10登場20周年を記念した報道向けイベントで公開された開発当時のデータだ。
「ビジュアルメモ」「ビジュアルコミュニケーション」「ビジュアルデータバンク」。めちゃ先見の明ではないか。
まさに、人々がカメラに求める3つの要素が全部はいってる。これは素晴らしい。
ただ、この3つを一番得意としてたのがカメラではなくスマートフォンだったのである。
この急激な市場の縮小にカメラメーカーでもAV機器メーカーでもないカシオがついていくのは困難だったに違いない。もはやひとつやふたつヒット作を出したからどうというレベルではないのだ。
◎今のうちに買っておくべきカシオのデジカメ
というわけで、カシオさん、23年間ありがとう、おつかれさまでした、今後は「カメラという形」に囚われない新しい映像製品に期待します、なわけであるが、もっと大事なことに気づかねばならない。
今後新製品が出ないということは、カシオのデジカメはもう買えなくなるということなのだ。
どこでも出してるような凡庸な製品ばかりなら困らないが、未だに「こんなカメラはカシオからしか出ないよ」って製品があるのである。
それがほっとくと買えなくなるのだ。
そこで「今が最後のチャンス」なカシオらしいカメラを2台ムリヤリ紹介したい。
ひとつはフリースタイルカメラ「EX-FR200」。
これがもう筆舌に尽くしがたい面白いヘンタイなカメラ。
カメラ部とモニタ部が分離して両者はBluetoothで常時接続。両者をくっつけて使ってもいいし、分離させて右手にカメラ左手にモニタを持って超フリーアングルカメラとして使ってもいいし、アクセサリーがいっぱい出てるので、カメラ部をおでこにつけてモニタ部を左腕につけて撮ってもいいし、遠隔撮影できるので離れた場所においてもいい。
自由すぎてどう使うかを問われるというカメラ。
このシリーズはいくつか出ているが、FR200をおすすめするのは「魚眼レンズ」を積んでるから。円周魚眼・対角魚眼の面白さを一番簡単に味わえるカメラであって、防水でもあるからこんな写真もすぐ撮れる。
動画にも対応してるのでアクションカム的にも使える。円形魚眼で撮るとこう。
発売は2015年。今買わないとこんなカメラ永遠に買えないかもしれない。
ついでにいえば、Bluetoothでスマホと常時接続し、撮影するたびにWi-Fiを起動して写真をスマホに自動転送してくれるのだ。これは便利。
ちゃんとスマホ時代に対応してるのである。
ユニークすぎて受け入れられるのに時間がかかる製品ではあった。
もう1台、今個人的に一番気に入っているコンデジを。
ハイスピードEXILIMのEX-ZR4100である。
これ、どうみても普通のコンデジなんだけど、その辺の普及型コンデジと違うのは2点。
ひとつは19mm相当スタートの超広角であること。今、コンデジの中で一番広角で、散歩の友に最適なのだ。
もうひとつは1/1.7型というほんのちょっと大きなセンサーを積んでるおかげで画質がそこそこいいこと。わたしが愛用してるのはそのひとつまえの「ZR4000」だけど、サブカメラとしてけっこう楽しんでる。
ついでにいえば、モニタ反転で自撮りできて、しかも中国で揉まれた美肌機能は最高にデキがいいので、自撮りする人にもお勧め。
もちろん、スマホへの自動転送機能付き。
望遠より広角がいいって人はこれ一択なのである。 2017年発売なのでまだ入手は容易である。
カシオならではのこの2台。今のうちに!
【追記】
なんと!カシオの公式アカウントで紹介してもらいました!
CASIOコンパクトデジカメ撤退記念、最後に買うべきカシオコンデジはこれ! https://t.co/jtqkRCMvls
— CASIO カシオ計算機株式会社 (@CASIOJapan) May 18, 2018