いや〜プロ仕様の道具ってスゴいなあ、と、当たり前といえば超当たり前なんですけど、そんなことをひしひしと実感してまいりました。

今年8月に開かれた、3M主催の「フルハーネス体験会」。建設現場で働く高所作業者の安全を守るフルハーネスの “思わず誰かに話したくなる秘密” を紹介してもらいつつ、3Mの最新フルハーネスが体験できるというイベントです。

ちなみに私、建設現場で働いているわけではありませんし、ハーネスも着用したことなんてありませんけど。

でもね、フルハーネス着けた「吊り下げ体験」ができるっていうんですよ? 何だか面白そうじゃないですか!っていうことで、バリバリ現役プロの高所作業者のみなさんに混じってイベントに参加してまいったという次第です。

じつはこのフルハーネス、建設業界では今ホットな話題のひとつでもあります。

何しろ、先ごろ労働安全衛生法が改正されて、これに伴って、来年(2019年)2月には高所作業中でのフルハーネス着用が義務化されることになったそうで。高所作業者のみなさんとしては無関心ではいられないわけですね。

この法改正の背景にあるのは、建設現場での墜落・落下事故の多さ

厚労省の「労働災害統計」によると、事故発生件数は年間2万件、1日あたり約50人が墜落している勘定で、しかも平均すると1週間に5人が死亡しているというから、そりゃあ安全対策はしっかりすべきですよね。

ちなみに欧米では、すでにフルハーネス着用が義務化されているそう。そこで培われてきた国際規格に準拠したフルハーネスは、従来のハーネスに比べて安全性が高い構造設計が取られているとのことです。

その構造に求められるポイントは、簡単にいうと「脱げない」「股間に荷重が集中しない」「首が締まらない」

いうまでもなく、3Mのフルハーネスは国際規格を満たしています。

というか、欧米ですでに40年間の製作・販売の実績があるという話です。じつはこのフルハーネスを含めた安全衛生製品は、3Mの基幹事業のひとつでもあるんですね。

じゃあその3Mの実力を見せていただこうじゃありませんか! ってことで、実際にハーネスを装着して吊り上げていただきました。

私が着用したフルハーネスは「エグゾフィットネックス」と名付けられたハイエンドモデルです。

私、何しろシロウトなもんで、ハーネスといえば、バラエティ番組で若手芸人さんがクレーンとかで吊り上げられて「痛いよ!痛いよ!」なんて叫んでるイメージが強烈にあってですね。ちょっと怖いなーって思っていたんですよね。

でも、このハーネスは身体をぐぐっと締め付けるっていう感じじゃなくって、わりと余裕がたっぷり。ベルトを股に巻きつけて支えるんじゃなく、お尻で支える感じで、ふだんは身体に接していないんですね。なので、しゃがんだりしても全然突っ張らない。

吊り上げられても、まったく痛くない!

ほんとにブランコに乗ってるような感じで、なかなか楽しい! 楽しすぎました!

ちなみに、作業中に万一落下した場合、宙吊りのまま救助を待つことになるわけですが、長時間にわたってブラ下がっていると、股関節がうっ血して最悪の場合は命を落とすこともあるんだそうです。

で、この3Mのハイエンドモデルが搭載しているのが、うっ血対策ストラップ。腰の脇にあるパックを開くと縄梯子みたいなストラップが2本出てくるので、これを繋げて両足を乗せて立ち上がると両脚がぐんっと伸びて、うっ血が防止できるという仕掛けです。

立ちブランコ状態ですので、どこも締め付けられた感じがなくなるというわけ。このアイデアはスゴいんじゃないでしょうか。

シロウトの私が感動したところで、まぁアレですけどね。

その吊り下げ体験の様子を収めた(というか収められた)動画がこちらです。

えっと、べつに笑わそうとしているわけじゃないんですけどねえ。

とにかく、マジで楽しかったんだから仕方がありません。

体験会では、プロのみなさんにも、それぞれ希望のフルハーネスを提供、手元に届いた喜びのツイートが続々とアップされています。

なかにはさっそくカスタマイズしている方も。

「作業者が無事に家庭へ帰ることができるように」という願いを込めて、現場の声を取り入れつつ改良に改良を重ねてきたという3Mのフルハーネスが、あちらこちらの建設現場で見られるようになるのでしょうか。

何ならバラエティ番組とか某ミュージカルとかに採用されたりするといいですね。ま、私べつに、テレビにも舞台にも縁がないですけど。